サブスクビジネスのデメリットやメリットを解説 成功のコツや成功事例も紹介

2023/05/31

最近「サブスク」という言葉を耳にすることが多くなりました。
近年さまざまな業界でサブスクモデルのビジネスが生まれ、それぞれ成長しています。
なぜ、サブスクビジネスがこれだけ成長しているのかというと、利用者、事業者双方にとって大きなメリットのあるビジネスモデルだからです。

一方で、もちろんサブスクビジネスにもデメリットはあります。メリットとデメリットの両方を理解しておかないと、サブスクビジネスに取り組み始めた際に思わぬトラブルが発生してしまうリスクがあります。
また、サブスクの言葉自体は聞いたことがあるが、意味はよくわからないという方もいらっしゃるようです。

そこで、今回の記事では、サブスクビジネスのデメリットやメリット、さらに成功のコツや成功事例に関して解説します。

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サブスクビジネスとは?


サブスクビジネスとはサブスクリプションビジネスの略で、料金を支払うことで一定の期間に渡りサービスを受けられるビジネスモデルです。
定期購読、定額課金とも言われ、1カ月や1年分の料金を支払い、いつでも好きなときにサービスやコンテンツを楽しめる仕組みです。
このサブスクビジネスは、すでに身近なところで広く利用されています。

有名なところでは、音楽配信サービスの「Spotify」動画配信サービス「Netflix」などは月額制のサブスクサービスです。

サブスクビジネスのメリット


既出のようにサブスクは定額の料金を支払うことで、一定の期間サービスを受けられるビジネスモデルです。
このビジネスモデルには、どのようなメリットがメリットがあるのでしょうか。
それぞれのメリットを見ていきましょう。

安定した収入を得ることができる

サブスクビジネスの最大のメリットは毎年ある程度計算可能な収入が見込めるということです。
サブスクは会員が解約をしなければ必ず安定して継続的な売り上げを得られます。

また、顧客数や客単価が前もってわかるのも、大きなメリットです。

例えば年間利用料が1万円のサブスクに対して1万人の加入者がいれば、来年度も1億円の売上を見込んで予算案を立てることができます。
あとは新規加入者と解約者の売上を差し引きすれば、来年度の予算計画が完成します。

つまり、「会員数」×「定額料金」という計算で売上額の予想ができるので、リスクを抑えながら経営を進められます。

新規ユーザーを獲得しやすい

サブスクの料金は、実際に購入するよりも安価に設定されることが多いです。
ユーザー側にすれば、初期費用を抑えられるのでコンテンツや物を気軽に利用できるようになり非常に魅力的です。

例えば、買うと数万円の商品を月額数百円で利用できれば、導入障壁をかなり下げられます。
安価であれば「試しに使ってみよう」と考える人も多く、新規ユーザーの獲得につながるでしょう。

また、サブスクサービスの多くは「初月無料」などのキャンペーンを行っています。
このようなキャンペーンを行うことでさらに多くの新規ユーザーの獲得につながるでしょう。

このようにサブスクは事業者側からするとユーザーのサービス購入のハードルを下げ、新規ユーザーの獲得につながりやすいビジネスです。

ユーザーのデータを分析し改善に活用できる

サブスクビジネスは、ユーザーがスマホやPCから利用の申し込みを行うのが一般的です。
その際にユーザーの属性や利用状況などの詳しい情報を得られます。
このようなデータが収集できると、好まれている年齢層やどのようなライフスタイルの人に人気を集めているのかなどの傾向がつかめるようになってくるはずです。

ユーザーのビッグデータを分析することでより正確にユーザーのニーズを把握できるので、商品・サービスの改善に活用でき、サービスの質をさらに向上できます。
利用ユーザーのデータを利用したサービス改善を常に考えていけば、継続的にサービスが向上し、顧客満足度が高まりユーザーの離脱を防ぎ長期的な利用につながるでしょう。

業界や業種、デジタルやアナログを問わず新規参入しやすい

一般的なサブスクビジネスのイメージはデジタルコンテンツの配信ですが、自社が持っている今までの商品やサービスでも組み込めます。
遊休資産を活用できれば、簡単・短期間にサービスを開始できます。

例えば衣類やバッグのレンタル、車のシェアリング、コワーキングスペースの利用などの分野でも導入できます。
また、既存の自社の商品やサービスの顧客を取り組むこともできます。

サブスクビジネスを歓迎するトレンドがある

近ごろサブスクは、従来からのジャンルに加え、幅広い分野で利用されるようになりました。
利用者側にとっても当たり前のサービスとなり、便利でお得なサービスと広く認知されています。
新しいサブスクビジネスを考えた場合、それが受け入れられる時代になっていることも大きなメリットと言えるでしょう。

サブスクビジネスのデメリット


どのようなビジネスモデルであってもメリットがあればデメリットもあります。

サブスクビジネスのデメリットとしては以下のものが挙げられます。あらかじめ確認して対策を練った上でサービス内容を考えましょう。

利益が出るまでに時間がかかる

まずは、利益が出るまでに時間がかかるというデメリットがあります。
サブスクは会員数が増えていくに伴って利益が上がっていくので、開始直後は利益が出ない場合もあります。
基本的にサービス開始直後に多くのユーザーを集めることは困難です。
初月無料などで購入へのハードルを下げた分、すぐには利益が出ないことも考慮しておく必要があります。

慎重に腰を据えて取り組む決意や仕組みがないと、失敗につながるリスクがあります。
しかし、一方で綿密な計画や準備を行えば収益化できる期間などの試算をすることも可能です。

新しい商品やサービスを継続的に用意する必要がある

サブスクビジネスを成功させるためには、長期ユーザーを増やさなければなりません。
飽きられないように、常に新しい商品やサービスを追加して顧客の離脱を防ぐ必要があります。
継続利用されなければ成り立ちにくいビジネスモデルなのです。

確かにサブスクビジネスにはお得感がありますが、ユーザーが「つまらない」「お金の無駄」と思ったらやめてしまいます。

そうならないためには、顧客満足度の向上を常に考慮していく必要があります。
商品・サービスの改善は当然ですが、新しく楽しい+αのあるコンテンツを追加して、ユーザーと長期的な関係を築いていく考え方が大切です。

顧客数が伸び悩むとビジネスの継続が難しい

サブスクビジネスは客単価が一定のため、一定以上のユーザー数を確保できないと、利益を出してビジネスを継続することは困難になります。
要するに、サブスクビジネスを展開したとしても、ユーザーが増えなかったり、一度は増えたものの解約者が多くユーザー数が減少してしまった場合はビジネスとして成り立たせるのは困難になります。

同じジャンルのサブスクと価格競争になる危険性がある

さまざまな分野でサブスクが増えている昨今、似たようなサービスがあっても不思議ではありません。
しかし、同様のサービスや商品のサブスクがあると、ユーザーはどうしても価格だけで判断しがちです。
そのため、価格競争になってしまう危険性があります。
月額料金を下げるか、またはサービスや商品にプラスの付加価値をつけるなどの対応が必要になります。

すぐに解約されてしまうリスクがある

サブスクは新規顧客獲得のハードルは低いですが、解約されてしまうハードルも低めです。
多くのサブスクでは無料のお試し期間を設けていますので、ユーザーが気に入らなければ本契約の前に解約されてしまいます。
サブスクビジネスは継続して利用してもらうことで売上が上がっていきますので、解約されてしまうと売上になりません。
つまり解約率が高いと利益が上がらないのです。

音楽サブスクの企業側のデメリット

サブスクリプションサービスと聞いて真っ先に思い浮かべるのが「音楽配信サービス」ではないでしょうか。
サブスクビジネスとして音楽配信を考えているのであれば、デメリットに関しても把握しておく必要があります。

企業側が十分に注意しなければならないのは、会員数の獲得についてです。
収益額を決めるのは、あくまでも会員数です。
いくら再生数が多くても会員数を確保できなければ大きな収益にはつながらないため、継続的なプロモーションが必要です。

再生数が増えてきても、すでに会員になっている方が繰り返し聞いているだけでは収益増とはならないのです。
また、想定を上回るペースで利用するユーザーが多ければ、そのコストを負担するなどの影響を受けるのは企業あるいはアーティストです。

再生数がどれだけ多くても、会員数自体が増えるか、月額利用料が増えなければアーティストに対する支払い単価が大きくはなりません。
そのようなサービスにはアーティストも楽曲を公開する意味がないでしょう。

サブスクビジネスを成功させるコツ


サブスクビジネスのメリットおよびデメリットを見てきましたが、サブスクビジネスは何に気をつければ成功するのでしょうか。
詳しく解説します。

初月無料などを用意し気軽に手を出せるようにする

サブスクはユーザーにとって購入ハードルが低いので、新規ユーザーを獲得しやすいメリットがあると紹介しました。
そのメリットはさらに活かした上でどうすればユーザーが申し込しやすくなるかを考えてみましょう。
多くのサブスクで取り入れている「初月無料」や友達や家族を紹介したら特典をつけたり、利用に応じてポイントを付与するなどのキャンペーンを行うことでユーザーは気軽に試してみたくなりユーザーの獲得につながりやすいでしょう。

さまざまなキャンペーンを企画し、実際にお試し期間中にお得だと感じてもらうことが重要です。

豊富なプランを用意する

サブスクビジネスは通常いくつかのプランを準備しています。
例えば、新規ユーザー向けの試しやすい安価なプランや一般的なスタンダードプラン、常連さん向けのプレミアムプランなどユーザーの段階に合わせて設定することが多いです。

複数のプランがあることで、サービス内容と料金を比較し、ユーザーは自分に合ったプランを選べるようになります。
また、家族やカップルをターゲットにしたプランも良いでしょう。
つまりユーザーにとってメリットのあるサービスであるかどうかを意識することが大切です。

また、スムーズに決済を行えるのも重要です。
ユーザーに合わせた決済方法もしっかり検討しましょう。

カスタマーサクセスの対応

サブスクビジネスにおいては、従来のカスタマーサービスなどよりも、さらに一歩進んだカスタマーサクセスへの対応が重要です。
従来は商品やサポートに関して不満や問題が発生したときに対応していましたが、カスタマーサクセスでは、ユーザーが<商品やサービスを利用して実現したいことを積極的にサポートします。

従来、受動的であったユーザー対応を、企業側から主体的に対応するのがカスタマーサクセスです。
このような対応により顧客満足度を上げて継続的な利用へつなげるのです。

オーダーメイドやレコメンド機能をつける

ユーザーのデータを詳しく分析できるのはサブスクの大きなメリットと言えます。
このデータを利用しているのが、オーダーメイドやレコメンド機能です。

ユーザーのデータを活用し、そのユーザーのおすすめのコンテンツが自動でのレコメンドやオーダーメイドできれば、そのユーザーの満足度は大きく上がるでしょう。
利用者の期待を上回る商品やサービスをリリースできれば、ユーザーが継続してサービスを利用してくれます。

需要の事前確認

事業を始める際には、スタート前からしっかりと計画を立てることが重要です。
これはサブスクビジネスに限ったことではありません。

その計画の一番初めにするべきなのが、ユーザーのターゲティングです。

ユーザーのターゲティングのポイント
  • どのような人にユーザーになってもらいたいのか
  • どのようなシーンでの活用を想定しているのか
  • どのようなサービスを求めているか
  • ヘビーユーザーがお得になっているか

このように、自分が運営を予定しているサブスクが狙うべきターゲット層をはっきりとイメージすることが大切です。
その理由は、狙うべきターゲット層がずれていると、どうしてもコンセプトやユーザーのニーズとのずれが発生してしまうからです。

サブスクビジネスの成功事例


サブスクは、幅広いジャンルで導入されています。
一般的なのは動画配信や音楽の定額サービスで「Amazonプライムビデオ」や「Netflix」「Spotify」などが知られています。
同様にマンガや小説が読める「Kindle Unlimited」や「楽天マガジン」なども有名です。
しかしそれ以外にも成功しているサブスクが数多くありますのでみていきましょう。

キリンホームタップ

キリンホームタップはキリンビールが提供するサブスクで、専用のビールサーバーをレンタルし、自宅でもお店で出されるようなビールを楽しめるというサービスです。サービス自体は2017年にスタートしていましたが、供給能力を超える申し込みがあったり、ビールサーバーに問題点が発生したため度々新規会員受付を中止していましたが、供給体制が整い、トラブルも解決したため、本格的に展開しはじめました。
そして2021年8月に目標であった会員数10万人を達成しました。

キリンホームタップへ登録すると定期的にビールを送り届けてくれるだけではなく、ビールを注ぐための専用サーバーもレンタルでき、家でいつでも美味しいビールを飲めます。

一度に届けられるビールは週末だけ楽しむ方向けに月に4L、日常的に楽しむ方向けに8Lのコースが用意されています。。
専門のビールサーバーは、ビールのボトルをセットするだけで簡単に使用でき、まるでプロのようなクリーミーな味わいを実現しています。
そのビールは鮮度を重視しており工場から直送され、季節ごとに限定のビールを楽しむことができます。

特に、「一番搾りプレミアム」はこのサブスクのために用意されました。
通年販売されており、麦の美味しい部分を厳選して引き出し、絢爛な香りよ豊かな味わいに仕上がっています。

メルスプラン

メルスプランは、国内最大手のコンタクトレンズメーカーメニコンが運営している定額制のコンタクトレンズのサブスクです。
2001年より始まり、2021年3月には会員数が134万人に達するほどの大注目サービスとなっています。
メニコンの連結売上が862億円でそのうち438億円がメルスプランと主力事業として成長しています。

メニコンはメルスプランとは別に3Cプランも用意しています。
メルスプランで利用できるコンタクトレンズはメニコン製のみで、一方3Cプランではエースコンタクトがセレクトした付け心地が良いコンタクトレンズを利用できるという違いがあります。

利用できるコンタクトは、使い捨てから3カ月交換タイプまで用意されており、ハードかソフトかも選択可能です。
長期タイプのコンタクトレンズを利用している際に欠けてしまった場合は店頭に持ち込むことで無料で交換できます。
また、視力低下などの理由で、異なるコンタクトレンズに変更もできます。

さらに会員向けのスマホアプリ「メルスプランアプリ」を提供しています。
登録すると、長期タイプのコンタクトレンズを使用している方は、交換日に教えてくれるので、交換忘れを防止できます。

Oisix

テレビで紹介され、すぐに有名になったサブスクがOisixです。
有機野菜にこだわり、誰が食べても安全な野菜や魚・肉を取り扱っています。
現代は何を使って育てているのかわからないような中国産の野菜を食べる機会も増えましたが、Oisixでは安心・安全なサービスの提供に努めています。

Oisixは、日本サービス大賞の優秀賞に輝き、最近は広告などでもよく見かけるようになりました。
初めての方限定ですが、全額返金制度のあるお試しセットを注文でき、もし気に入らなければ全額返金してもらえますので安心です。

忙しいときにのみ注文したり、食べたいメニューがあるときに注文することができるので、顧客にとっても満足度の高いサブスクです。

サブスクビジネスの今後


ここ数年前から活発になっているサブスクビジネスですが、今後はさらにこの傾向が強くなり、新分野でのサブスクビジネスができてくるでしょう。
サブスクビジネスの成功はユーザーにとっても企業側にとってもメリットとなり、今後大きなビジネスに発展することも十分に考えられます。

この拡大傾向はしばらく続くでしょう。

まとめ


サブスクサービスではユーザーに継続利用してもらうために、常にユーザー第一に考え商品やサービスを更新しなければなりません。
このような努力でユーザーとの長期的な関係を構築できれば、安定した利益を得ることができます。

サービス開始直後は利益が出にくいビジネスモデルですが、顧客ニーズを正確に読み取り、継続利用される商品やサービスに改善できれば安定した経営をできる可能性があります。

サブスクサービスの導入を考えているのであれば、メリットとデメリットの双方を考慮し検討することが大切です。

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