マーケティングにおいてMAというものが重要視されています。
これは現代の市場や顧客のニーズに対して企業が対応していくために必要となるものです。
この記事ではMAの基本知識と活用する際のポイントを解説します。これからマーケティングに携わるビジネスマンの参考になれば幸いです。
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マーケティングオートメーション(MA)とは?
MAの概要
MAとは「マーケティングオートメーション」の略称です。
これは今までマニュアルで行っていたマーケティング業務を自動化させることを目的としています。
活用することで見込み顧客の興味関心、ニーズに応える為の様々な情報を収集し分析することが可能になります。
そして業務を効率的に実施することで精度の高いマーケティング戦略を展開することが期待できます。
MAが必要とされている背景
MAの必要性が高くなった理由は主に以下の3つといわれています。
- 顧客との接点が変わった
- 顧客が求めるものが変わった
- 現代に合わせた方法でニーズに応える必要がある
顧客との接点が変わった
今まではテレビや雑誌などを介して顧客が商品を知り、細かい情報を実店舗で得るという流れが定着しており情報を得る機会が限られていました。
しかし、スマホが普及してからはショッピングモールの商品レビューから個人のSNSまで情報を得る機会が格段に増えました。
これにより顧客が自分自身にとって必要な情報以外はブロックするようになり、現代ではただやみくもに広告やCMを流すだけでは集客が難しくなっています。
これにより企業は顧客に情報を確実に伝えるため、顧客が興味を持っていることを適切な方法とタイミングで発信する必要性が生じました。
顧客が求めるものが変わった
あらゆる場で情報収集が可能となったことで顧客は1つの商品を複数のサイトやSNSなどを介して競合他社と比較するようになりました。
そして、顧客のニーズは商品だけでなく顧客が知りたい情報がわかりやすく提示され、かつ顧客が望むタイミングと決済方法で快適な買い物ができることを求めるようになりました。
企業は顧客と良好な関係でコミュニケーションをはかる為に顧客1人1人に対応した情報提供と顧客体験をいかに与えるかがこれからの課題となっています。
現代の顧客に合わせた方法でニーズに応える必要が生じた
良質な顧客体験を提供する為には大衆へ向けた情報発信ではなく、1to1でのコミュニケーションで顧客1人1人のニーズに対して柔軟に対応する必要があります。
さらに、実店舗の窓口と違いインターネットを介して大多数の顧客を相手にする必要もあります。
この2つの矛盾を埋める為にMAのようなツールを活用し効率的な業務を行わなければ対応できなくなっています。
MAの主な機能を解説
MAはマーケティングを効率よく実施するために沢山の機能が備わっています。
使用する目的によって必要な機能は変わることとツールによって使える機能に違いが生じるの為ここではよくある機能に限定します。
- リード管理機能
- スコアリング機能
- メール配信機能
- Webページ/フォーム作成機能
- 営業支援システム/顧客管理システムとの連携
- マーケティング分析機能
- パーソナライズ機能
- ソーシャルマーケティング機能
リード管理機能
リードとは見込み顧客のことを指します。
リードの情報を収集・管理し、分析結果から適切な情報配信等を行い購買意欲を高めるといった目的で使用されます。
また、分析した情報から趣味趣向を把握し成約率の高いリードを選別するといった機能も含まれています。
顧客情報から複数のセグメントに該当する顧客に対して何度もアプローチをかけてトラブルにならないように管理する機能もあり、連絡の不備で顧客が流れる可能性を軽減させる点でも重要な機能です。
スコアリング機能
見込み顧客の行動履歴や趣味趣向、属性を数値化する機能です。
顧客のスコアに応じて正しくアプローチ法を選択すればDMなどの提案のみで成約する可能性もあります。
顧客に対して正確なスコアリングを行うことが収益をあげるうえで重要です。
メール配信機能
顧客分析で把握した興味関心に対して適切な情報を伝える為に必要な機能です。
ただの一斉メールではなく、セグメントに応じた内容のメールを送ることができます。
さらに、ターゲットに絞った特定の顧客に向けてあらかじめ設定した順番と頻度で自動的に送信されるステップメール機能も含まれます。
この機能を十分に活かすためにはリード管理機能、スコアリング機能を活用し、顧客の興味関心から必要と思われる商品・サービスを選択する必要があります。
Webページ/フォーム作成機能
MAツールでWebページやフォームを作成する機能です。
フォームを作成すると新規で獲得した見込み顧客の情報が自動的にツールに登録されます。
さらに識別情報としてタグ付け等を行い顧客の属性をすぐに可視化することができます。
MAツールで分析を行いながら作成したフォームを改善できるので作業の効率化を図ることができます。
営業支援システム/顧客管理システムとの連携
既存の顧客管理システムを連携することでさらに効率よくマーケティングを行うことができます。
これらのシステムが噛み合わないと情報管理が煩雑となりツールの効果的な運用が難しくなる可能性があります。
マーケティング分析機能
サイトに訪問したユーザーがこちらが想定した行動をとっているのか履歴を確認することができます。
ユーザーが長く滞在したページも履歴として残る為、「一番よく調べていたページの商品情報をメールで送信する」といった戦略を練ることができます。
どのサイトのリンクからアクセスしたかも調べられるためユーザーが現在商品の購入まで検討し比較している段階と予測しアプローチをかけるといったことも可能です。
パーソナライズ機能
パーソナライズとは顧客1人1人の行動履歴・購買履歴、属性から興味関心を分析して適切な情報提供を行うことです。
例としてGoogleの検索画面の下部に表示されているWebサイトのリンクや検索結果が該当します。
パーソナライズ機能はDMだけでなく広告、サイトのコンテンツなど複数の切り口から顧客とコミュニケーションをはかり一貫性のある情報提供を実施することで興味関心を引くことが期待できます。
顧客にとって有益と判断できる情報のみに絞って情報発信を行うことで良質な顧客体験を提供しDMのブロック等のリスクを軽減させることができます。
ソーシャルマーケティング機能
ソーシャルメディアであるTwitterやLINE・Youtube等を利用したマーケティング手法があります。
影響力のあるSNSを介して商品の情報を発信したりアンケートを実施したりすることで顧客満足度の向上を図ることが期待できます。
アンケートから得た情報を基に改善施策を行い、マーケティングの精度を高めてより効果的な戦略を練ることができます。
定期的に情報発信をしてメディアに露出することで気に入ってもらえたユーザーに拡散されることもあるのでブランディングの一環としても有効です。
MAを活用してできること
MAツールにある機能を具体的にどのように活用していくかを解説します。
目的・用途によってできることは細分化される為、代表的なものを取り上げています。
顧客情報を集める
MAツールに入力した顧客情報は継続的なアプローチを行う中で蓄積されていきます。
従来のマニュアルでの顧客管理では一度情報収集した内容が常に活用されるわけではないため管理しきれず上手く活かせない場合が多くありました。
中期~長期的なコミュニケーションをとる中で保管された顧客情報を適切なタイミングで活用できるので一度獲得した顧客情報を無駄にすることなく活用できます。
効率的に見込み顧客を顧客にする
適切なタイミングで見込み顧客とコミュニケーションをはかることができるようになります。
スコアリング機能などを活用し成約に繋がる可能性のある顧客に絞ってアプローチをかけることで今まで取りこぼしてきた顧客を成約まで繋げることが期待できます。
集めた顧客情報を分析し継続的にアプローチをはかることで効率的に見込み顧客へ営業を行うことができます。
個人からチームでのマーケティング戦略が行える
情報を得る機会が格段に増えたことで顧客1人の興味関心やニーズを担当者個人が常に把握することは困難となりました。
MAツールなどのシステムを活用することで担当者1人ではなくチームでマーケティング活動を行うことができます。
今まで部署ごとに管理されていた顧客情報が一括で管理されることでチーム単位で効率的に業務を行えます。
マーケティング業務の自動化
マニュアルで管理することが困難となった膨大な顧客情報をシステムで管理・分析できるようになることで業務負担が軽減されます。
顧客管理のみでなく自動メール配信といった機能も活用することで単調で時間のかかる作業から解放され、確保した時間を使ってマーケティング戦略を練るといったより重要な業務に専念することができます。
MAを活用する際のポイント
MAツールは上手く活用できれば多くのメリットを得ることができます。
しかし搭載された機能はツールごとに違う為、効率的に運用するにはポイントを押さえなければ十分に活用できません。
活用する際のポイントは以下になります。
- 初期設定は計画的に行う
- 運用する為の人的・物的リソースを確保する
- 小さく始めて徐々に拡大する
- 定期的にメンテナンスを行う
- サポート体制を整えトラブルに備える
初期設定は計画的に行う
まず「MAを活用して何をしたいのか」目的を明確にすることが重要です。
顧客分析から課題点を見出し、これからどのような改善施策を行うのかを具体的に挙げる必要があります。
そして、課題に対して現在実施していることとこれから実施することを把握して活用したい機能は何か明確なイメージを持てるように準備します。
目的・課題に沿った初期設定を導入する前に行うことで不必要な機能を無理に使うことなく最適化された運用が期待できます。
運用する為の人的・物的リソースを確保する
運用する前に現状で割くことの出来るリソースを確認することも重要です。
ツールを運用する為にはある程度の人的コストと目的達成の為に必要な知識が必要になります。
まだツールの運用に慣れていない段階では複雑な機能は省いてシンプルな機能に限定して業務を進めるといった現状のスキルに見合ったものを選択する必要もあります。
運用する為に最低限必要な人的・物的リソースを整えてから実行することおすすめします。
小さく始めて徐々に拡大する
いきなり大手企業が導入している多機能なツールを導入してもうまく使いこなせず、持て余す可能性があります。
企業の規模や予算、スタッフの知識も考慮して最初は使いやすい機能のみ導入するとPDCAサイクルを上手くまわすことができます。
最初は1つの部署からテスト的に導入し修正と改善を繰り返しながら徐々に規模を拡大することで、急な業務負担の増加やうまく浸透しないといったトラブルを防ぐことができます。
いきなり変えるのではなくステップアップして改善していくことが重要です。
定期的にメンテナンスを行う
MAツールは実際に運用しないと自社に合っているかよくわからないという側面があります。
これは企業によって目的や課題は様々であり、それらに対してピンポイントに適応させるように機能をカスタマイズする必要があるからです。
ただ一度使ってそのままにするのではなく、現状の課題から必要な機能は何かを模索し独自のスタイルを確立することで効果的な運用が行えます。
定期的に今使っている機能を見直し、必要に応じて機能を追加するといったメンテナンスが必要です。
サポート体制を整えトラブルに備える
初めてMAツールを導入する場合はサポート体制がどの程度充実しているのか確認することをおすすめします。
自社の課題が見つかってもその課題に適した機能が何かわからないと導入しても社内に浸透しない可能性があります。
さらに機能の使い方自体がわからないと挫折する企業もあるかと思われます。
導入して間もない段階であるなら初期設定から親身になってくれるサポート体制があると心強いですが、FAQの設置のみだった場合は基本操作で余計な手間と時間をかけることになります。
この場合担当者の不満がたまり社内トラブルの原因になることが予想されるため対策を練っておく必要があります。
ツールによっては欲しいサポートが有料プランであることもあるので、コスト面でも確認しておくことも重要です。
MA/SFA/ CRMの違いを解説
MAについて調べていくと似たような単語でSFA・CRMといったものを目にします。
これらの違いと関連性について解説します。
SFAとは何か
SFAはセールスフォースオートメーションの略称で営業業務を支援するためのツールです。
商談ごとの情報を共有して成約率を上げたり急な担当変更での引継ぎをスムーズに行えたりすることができます。
これを活用することで担当者1人ではなくチームで営業活動を行い多数の顧客に対して柔軟に対応することが可能になります。
チーム全体で情報が可視化されることで効率的な業務遂行とスケジュール管理が可能となり1人の担当者に負担が集まることなく業務を実施できます。
CRMとは何か
CRMはカスタマーリレーションシップマネジメントの略称で「顧客関係を良好にするためのツール」です。
顧客と良好なコミュニケーションをはかり顧客関係の継続を促したり顧客満足度を向上させて顧客ロイヤリティを向上させたりすることが可能です。
これにより継続的な収益を発生させることが期待できます。
商品を購入した後のアフターケアを行うことでリピーターに繋げるといった長期的な収益を得る為に有効なツールです。
一貫性のある顧客戦略:MAからCRMまで、段階ごとの効果的な活用法
MA・SFA・CRMは顧客情報の管理・分析という観点から見ると一見似たような内容に感じますが、顧客の段階によって使い分けをしています。
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- MA:見込み顧客の獲得と育成、顧客になりそうなユーザーの選別
- SFA:商品購入に繋げる為の営業活動を効率的に実施する
- CRM:商品購入後のアフターケアを行い良好な顧客関係を構築しリピーター獲得に繋げる
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順番としては、MAで見込み顧客の中から顧客になりそうなユーザーを選び、SFAで購入に繋げます。
その後CRMで顧客満足度を向上させ顧客関係を築くことで継続的な収益を上げます。
これらを別々に考えるのではなく、収益を上げる為の一連の流れとして認識するとより質の高い施策を行うことができます。
まとめ
MAを上手く活用すると効率よくマーケティングを実施することができます。
その為には自社の課題を明確にしてMAの機能を使いこなす必要があります。
目的や課題に対して何が必要かを明確にしてから導入することで適切な施策を打ち出すことが重要です。
何となく導入するのではなく方向性を明確に定めて活用することをおすすめします。