LTVとは、顧客が生涯にわたって企業へもたらす利益の指標です。収益の構造は会社によって異なりますが、既存と新規の顧客から売上を上げていることは間違いありません。
重要なのは顧客の購入頻度や継続率、リピーターの数などであり、LTVはこれらを高めるための指標です。そのため、LTV向上を目指すことは企業の売上アップにつながるでしょう。
本記事では、LTVの概要やメリット、向上に向けての施策などについて解説します。これからLTVを向上させたい方、LTV分析の向上に頭を悩ませている方はぜひ参考にしてみてください。
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目次
- LTVとは?
- LTVを算出する方法
- LTVを向上させる重要性
- LTV向上のメリット
- LTVを向上させるための具体的な施策
- LTVの向上を阻害するもの
- LTVアップに役立つツール3選
- LTVを向上させる施策の事例
- まとめ|LTVを向上させて売上を促進しよう!
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LTVとは?
LTVという単語を聞いたことのある方は多いかもしれませんが、その意味を知らなければ意味がありません。会社の利益を最大化するためにも、LTVに関する知識は身に付けた方が良いでしょう。
ここではLTVがどんな要素であり、何に役立つのか解説します。
LTVの概要
LTVとは、Life Time Valueの略称であり、1人あたりの顧客が生涯でもたらす利益を示す指標です。重要な要素はリピート率・購入頻度・継続期間・購入金額などで、これらを規定の計算式に入れることで利益を予測できます。
企業の業績を上げるには新規顧客の獲得も大切ではありますが、長く安定して利益を上げ続けるためには、リピート率の向上も目指さなければなりません。
集めたデータを細かく分析し、どうすれば購入頻度や継続率を高めることができるのか考えることが重要です。結果的に、LTVの向上は利益の最大化や収益の安定化につながります。
LTVが注目を集める背景
LTVを向上させることに多くの企業が力を入れている背景には、新規顧客の獲得にかかるコストが問題視されていることが挙げられます。
自社が取り扱う商品を新しいお客様に販売するまでにかかる費用は、既存顧客に商品を販売するよりも高いです。新規の顧客はリピートに至るまでのハードルもあるので、費用対効果が低いと考えるのは当然でしょう。
情報過多な現代ではなおさら、新規のお客様を獲得するのは難しいはずです。すでに商品を手に取ってくれたお客様に対して効果的なアプローチをかけることで、会社の売上だけでなく、ファン化にもつながります。
LTVを算出する方法
LTVを有効的に活用するためにも、LTV計算方法の把握は必須です。代表的な計算方法は次の通りです。
- LTV=平均購買単価×収益率×購買頻度×継続購買期間
- LTV=平均購買単価×収益率×購買頻度×継続購買期間−(新規顧客1人あたりの獲得コスト+既存顧客1人あたりの維持コスト)
すべての顧客の購買における単価や収益率、頻度、継続期間の平均値からLTVを算出します。一般的に用いられる計算式が1つ目の式です。
新たな顧客の獲得やお客様の維持にかけるコストを考慮する場合は、2つ目の式のように1人あたりにかかるコストも考えて算出します。両式とも算出した結果がマイナスになってしまうと赤字につながるため見直しが必要です。
LTVを向上させる重要性
LTVは企業の利益を高めるうえで重要な要素ですが、具体的にどう重要なのでしょうか。ここでは、なぜLTVを向上させる必要があるのか解説します。
顧客と良好な関係を築く
LTVを向上を目指すためには顧客満足度を高める必要があります。顧客が会社のサービスや商品に満足してくれることで、ファン化や信頼性を高めることにつながります。
どういった施策や対応が顧客にとって良いものであるのか試行錯誤することが大切です。そのため、LTVの向上は顧客と良好な関係を築くことに重要な要素になります。
商品や企業のブランド価値を高める
LTVを向上させることは会社の商品や企業のブランド価値を高めることにつながります。LTVアップに向けて顧客1人あたりの利益を引き上げることは重要ですが、そのためには高品質な商品・サービスを提供しなければなりません。
自社製品やサービスの質を高めることにより多くの方から人気や支持を集め、結果として会社のブランド価値が高くなります。
収益構造の見直し
LTVを高めることは収益構造の見直しにもつながります。売上の伸びに悩んでいる企業は収益を生み出すための構造のどこかに問題点があるはずです。
LTVは顧客の購入頻度や単価など、さまざまな面を見直すことで向上させることができるため、収益構造の見直しにつながります。結果的には企業の成長を促進するはずです。
LTV向上のメリット
LTVの数値を上げるとどのような利点があるのでしょうか。企業の発展を目指すためにもLTVを向上させるメリットの把握が必要です。LTVの向上におけるメリットは以下の通りです。
コストを削減できる
メリットの1つは営業コストの削減が期待できることです。既存顧客よりも新規顧客の獲得にかけるコストが高額であるため、既存顧客へ営業をかけるほうが低コストで済みます。
既存顧客顧客のリピート率を上げることによって企業の売上を上げるだけでなく、顧客のファン化も狙うことが可能です。新規のお客様を獲得することも大事ですが、既存顧客へのアプローチはさまざまなメリットがあるので重要視する必要があります。
利益の安定化を目指せる
顧客が会社の商品やサービスを何度も購入することで、利益を安定させることが可能です。根強いファンからの継続的な売上により、企業の売上を維持することができるでしょう。そのためにもさまざまな施策を練ることが必要ですが、利益の安定化は企業にとって大きなメリットです。
優良顧客を把握できる
LTV向上を目指すことで優良な顧客の把握ができます。優良な顧客とは、継続的に商品を買ってくれる顧客や複数回にわたり単価の高い商品を購入し続けてくれる顧客のことを言います。
売上に大きくつながる優良顧客は企業にとって大切にするべき存在です。商品離れを防ぐためにも適切なアプローチを心掛ける必要があります。
経営体制を健全化
経営体制を健全にするためにもLTVを上げる施策は有効的です。顧客の獲得に向けコストを消費しすぎると企業の経営悪化につながります。
業績不振は会社のブランド価値を下げるだけでなく顧客や社員からの信頼も失うことになるので気を付けるべきです。安定した利益を出すためには顧客1人に対して経営体制を見直し、適切なアプローチをかける必要があります。
LTVを向上させるための具体的な施策
LTVの向上にはメリットが多々ありますが、どうすれば向上できるのでしょうか。
ここではLTVの向上に向けた具体的な施策や戦略について解説します。
ファン化を目指す
LTVの向上には、企業へのロイヤリティを向上させ、顧客のファン化を目指すことが重要です。企業のファンは商品やサービスを継続的に購入する可能性が高いため、利益の安定化や売上の向上につながります。
また、根強いファンは商品やサービスの良さを理解しているので、ブランド価値の共有や拡散のサポートにもなるでしょう。
顧客単価の向上
顧客が商品を購入する際の単価は、その顧客の一生涯価値(LTV)に大いに関わってきます。単価が高ければ高いほど、LTVは増大していくのです。
もちろん、商品やサービスの品質によって価格は変動しますが、顧客にとって魅力的な単価でなければ顧客離れに繋がってしまいます。競合他社に顧客を奪われないためには、顧客のニーズに合わせた内容であることが非常に重要です
購買頻度の向上
顧客の購入頻度を向上させるためには、最適なアプローチが求められます。この最適なアプローチとは、接触回数や営業活動のタイミングを上手く調整することで、顧客が商品を購入することを促す施策です。
ただし、新規顧客の中には会社に対して信頼や関心度が低い人もいるかもしれません。そのような顧客に対して、短期間に複数回アプローチしてしまうと、彼らが離れてしまう可能性が高まってしまいます。そのため注意が必要です。
顧客を獲得・維持するためのコスト削減
顧客の獲得・維持するためにはコストがかかります。顧客の獲得や維持にコストをかけすぎてしまい、企業の売上を超えて赤字になることは避けるべきです。
赤字は信頼を獲得するうえで危険な要素であるため、コスト面には十分気をつけましょう。また、無駄な業務にコストがかかってるケースは費用がもったいないため、経営体制の見直しが重要です。
購入期間の伸長
購入期間の伸長とは、顧客が継続的に商品やサービスを購入する期間を伸ばすことです。売上を安定で確実なものにするためには長期にわたって、顧客に商品を購入してもらう必要があります。
顧客の購入頻度を下げないためにも、離脱率を低下させる施策を打つべきです。離脱してしまった顧客には時間を空けて再度アプローチをかけてみましょう。
LTVの向上を阻害するもの
LTVを向上させるために、多くの企業では戦略や施策を考えるだけでなく、便利なツールを活用するべきです。さまざまなツールによって効率的に業務が進みますが、複数あるツールツールの連携に問題があると顧客へのアプローチに欠陥が出てしまったり、無駄なコミュニケーションをとってしまったりします。
LTVを向上させるためにも、ツールの連携をスムーズにし、集めたデータを1箇所にまとめておくことが必要です。
LTVアップに役立つツール3選
ツールを有効活用することでより効果的にLTVの向上に対する施策を考えることができます。そのためにはどんな種類のツールがあるのか把握が必須です。ここではLTVの向上に役立つツールを3つ紹介します。
CRM
CRMとは、Customer Relationship Managementの略称であり、顧客データの収集や分析ができるツールです。顧客1人からの利益を最大化するためには、どんな属性の方がどのような商品を購入するのか把握する必要があります。
さらに、どんな施策を打てば効果がでるかの分析も重要であるため、CRMはLTVの向上に大きく役立ちます。
MA
MAとは、Marketing Automationの略称であり、マーケティングの効果を測定するツールです。MAの活用次第ではすべての顧客に対して効果的なアプローチをかけることができます。
また、マーケティング施策の自動化も可能であるため、LTVアップに向けた業務効率化を高めることにもつながります。MAは顧客とのコミュニケーションにおいて非常に役立つでしょう。
チャットボット
チャットボットとは、顧客からの問い合わせに対してロボットが自動で返信するツールです。顧客の悩みや質問に対して、ロボットが返信します。
従業員が顧客の対応にかけていた時間を削減することができ、他の作業時間を増やすことができます。チャットボットにより迅速な対応が可能になったため、顧客満足度を高めることも見込め、結果的にLTVを向上につながるはずです。
LTVを向上させる施策の事例
LTVを向上させることでコストの削減や利益の安定化など多くのメリットがあります。しかし、LTVの向上が実際に企業へどんな影響を及ぼすのでしょうか。ここではLTVの向上に向けた施策の事例を解説します。
事例①キリンビール
キリンビールはソフトドリンクやビールを販売している飲料業界の大手企業です。キリンビールが展開する「毎月ビールが届くKIRIN Home Tap」といったサービスがLTV向上の参考事例になります。
家にいてもビールが家に届くサービスは多くの方から人気を集め、予約や注文が殺到する事態に発展しました。保冷機能の付いたビールサーバーを利用すれば、つくりたてのおいしさを味わうことが可能です。KIRIN Home Tapのおかげでキリンビールは毎月安定した収益と根強い顧客のファン化を成功させました。
事例②カゴメ
カゴメは食品や調味料を販売する飲食業界の大手企業です。商品の質は非常に高く、多くの顧客から人気を誇ります。しかし、商品の顧客獲得に悩みを抱えていました。そこで、商品開発に力を入れることで多くの顧客獲得を目指します。
また、顧客の意見を尊重し、企業へのロイヤリティを高めることにより企業の売上を向上させることに成功しました。
事例③Oisix
Oisixは安心安全な食材を自宅まで送り届けるといったサービスを展開する企業です。Oisixの戦略として、長期にわたって続いていくビジネスを考えていました。
サービスが売れ続ける効果的なマーケティング戦略を立案するために、お試しセットから本サービスへの加入に至るまで、さまざまな施策を考え実行しています。
また、Oisixは顧客の声を常に聞き入れることを重要視しています。サービスから離脱する顧客に感想や意見を伺い、改善や問題解決の参考にすることで、より良いサービスを提供しようと努めているそうです。
まとめ|LTVを向上させて売上を促進しよう!
本記事では、LTV向上のメリットや重要性、方法などについて解説しました。LTVの向上はコストを削減できる、収益の安定化が可能であるといったメリットが多々あり、利益の最大化を目指すことにつながります。
施策を成功させるためには顧客単価を上げたり、購入頻度を高めたりする必要があります。困難な施策もあるかと思いますが、社内で分析や話し合いを重ね、成功を目指す必要があります。LTVを向上させるために役立つツールもあるので、企業の事例を参考にLTVの向上を目指してみましょう。