インサイドセールスの基本知識をわかりやすく解説。役割やメリットなども紹介

2022/05/18

インサイドセールスというとテレアポ等の電話対応をよくイメージされます。

しかし、実際の業務内容は細分化され、従来と比べて働き方に変化が起きています。

この記事ではインサイドセールスの基礎知識が身に付きます。

これから営業に携わる社会人の方へ参考になれば幸いです。

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インサイドセールスの基礎知識

インサイドセールスの概要と関連した用語であるフィールドセールスについて解説します。

インサイドセールスは2種類の手法があります。

インサイドセールス

インサイドセールスは見込み顧客に対してメールや電話などを活用した非対面で行う営業活動です。

内勤営業ともいわれており、相手の状態に合わせて適切なコミュニケーションをとることが重要といわれています。

顧客の状態によって手法を使い分けていて、自社のことを認知し且つ購買意欲の高い顧客と自社のことは知らず購買意欲が未知数な顧客とで対応を変えています。

SDR

反響型営業ともいわれている新規の見込み顧客(リード)に行う営業のことです。

顧客は自社のことを認知しており、ホームページからの問い合わせや資料請求などで接触してきた顧客への営業がメインです。

営業でのトーク力も必要ですが、顧客が接触してきてからあまり時間をかけないスピーディな対応とヒアリング力が重要となります。

既存顧客との関係性を構築することも業務に含まれます。

BDR

新規開拓型営業ともいわれています。

顧客は自社のことを知らない状態から関係性がスタートする為、SDRよりも労力のかかる営業といえます。

ターゲットは積極的に自社の商品・サービスを売り込みたいが、認知をされづらく繋がりを持ちづらい企業となります。

スピードよりも入念な情報収集やアプローチ戦略を練ってから行動に移すことが重要とされており、相応の労力を割いてでも獲得したい企業へ行う手法です。

よって、自社にとって大きな利益に繋がる企業が対象となります。

フィールドセールス

フィールドセールスとは外勤営業ともいわれ、外回りで営業活動を行い自社の商品・サービスを売り込むことです。

自社の商品・サービスを必要としている顧客を見出して営業をかける必要があるため、コミュニケーション能力だけでなくターゲットを絞るマーケティング能力や商品の魅力を的確に伝えるプレゼン能力が重要視されます。

インサイドセールスと違い交通費などのコストはかかりますが、対面でないと魅力が伝わらない商品の紹介をする場合や会話の中でニーズを引き出す時に有効な手段といえます。

インサイドセールスとフィールドセールスの違い

この2つの大きな違いは内勤業務か外勤業務といえますが、業務内容やビジネススタイルで適切に運用できる場面が異なるという点も挙げられます。

  • 業務内容から見た違い
  • ビジネススタイルから見た違い

業務内容から見た違い

インサイドセールスの特徴は非対面でメールなどのツールを活用する為、移動にかかる時間と費用が必要ないことです。

全国の顧客に時間をかけずにアプローチをかけられるので、効率的に情報発信や既存顧客へのサポートを行えます。

フィールドセールスでは、直接会話をすることで非対面よりも深いコミュニケーションを行えるので、0から関係性を構築するような難易度の高い営業に有効です。

また、実物を見ないと購入する判断が難しい商品の場合はインサイドセールスでは不向きなのでフィールドセールスでの営業が必要となります。

ビジネススタイルから見た違い

もう1つの違いは、従来型のマーケティングから契約まで1人で行う営業方法から各段階で担当者が異なる分業型の営業にビジネススタイルが変化したことで役割が変わった観点からも挙げられます。

この場合は、見込み顧客の獲得までをマーケティング部門が担当しその後のアプローチはインサイドセールスが行います。

そして、商談もしくはプレゼンに持ち込めた時点からフィールドセールスが担当し契約まで行うという役割分担になります。

インサイドセールスの役割

インサイドセールスの役割は複数あります。

  • 見込み顧客の選出
  • 効率的なコミュニケーションで成約させる
  • 適切なアプローチを最小限の労力で行う
  • フィールドセールスやカスタマー部門にバトンタッチする

見込み顧客の選出

営業活動を膨大な顧客へかける為には、顧客となる可能性が比較的高いと判断できる顧客層にターゲットを絞る必要があります。

情報収集を顧客管理ツールなどで行い、優先順位の高い顧客へ順番に営業を行うことで成約率を最大化させることに繋げます。

効率的なコミュニケーションで成約させる

1人1人の顧客に対して多くの時間を割くことができない場合はインサイドセールスが適任です。

ネットの普及で全国の顧客を対象に出来るようになりました。

その反面、膨大な顧客に対して企業側が十分な人手を確保できない場面が多くなりました。

インサイドセールスで顧客の優先順位をつけることで一番成約率の高い顧客に集中してコミュニケーションをはかり、低いと思われる顧客へは最小限の情報提供に留めることで少ない人手でも効率的に営業をかけることが期待できます。

このように1回の営業活動で多くの時間とコミュニケーションを必要とするフィールドセールスでは対処できない場面で重要な役割を果たします。

適切なアプローチを最小限の労力で行う

フィールドセールスのように訪問する必要が無いので比較的簡単に成約までにかかる時間を短縮できます。

インサイドセールスは主に電話やメール、チャットといった時間や場所の制限を受けないツールを活用するので、フィールドセールスのように先方へのスケジュールを調整し場所と時間を確保してから営業を行うという時間を短縮する事ができます。

さらに顧客管理ツールなどから事前に顧客情報を集めておけば、比較的成約する見込みのある顧客へ向けて適切なアプローチを行い、そうでない顧客は状態に応じたアプローチをかけるといったコミュニケーションの最適化をはかれます。

フィールドセールスにバトンタッチする

営業活動は顧客のニーズや想定される疑問点に対して事前に回答を準備したりクレームに対して対策を練ったりと準備が重要となります。

インサイドセールスで事前に集めた顧客情報と顧客とのコミュニケーションで知り得た情報をまとめて分析を行うことで、次の段階であるフィールドセールスでの営業活動をスムーズに行えるようにサポートします。

これにより、フィールドセールスでより精度の高いプレゼンや商談内容を検討することができます。

インサイドセールスのメリットとデメリット

インサイドセールスのメリットとデメリットをまとめると以下になります。

メリット
  • 大量の顧客がいても対応が可能
  • マニュアル化で教育が簡単
  • データに基づいた目標設定が可能
  • 見込み顧客を育てる施策が可能
  • 社員全体の質を上げやすい
デメリット
  • 不信感を抱かれやすい
  • 商材によっては非対面が裏目に出る
  • 組織化するまで準備が必要

メリット

大量の顧客がいても対応が可能

全国からくる膨大な顧客を対象にする場合、1人1人に対して同じ労力を割いていては業務が終わりません。

顧客情報から成約する見込みがある顧客に優先順位をつけて対応をすることで営業業務の効率化をはかることができます。

これにより顧客1人に対するコミュニケーションコストを状態に応じて削減することができ、最小限の労力で成約に繋げることができます。

フィールドセールスでは見込み顧客の見極めが難しい傾向があるのに対してインサイドセールスは事前の顧客情報から優先順位を設定することが可能なため、大量の顧客を相手に対応することができます。

マニュアル化で教育が簡単

インサイドセールスでは電話対応やメールなどを介したツールでのコミュニケーションが中心となるので、工程をマニュアル化しやすい側面があります。

よってスキルに関係なく一定の業務を行えるので、新人教育にかける時間が短く済みます。

対面が主なフィールドセールスでは新人が1人で対応できるまでには相応の時間がかかります。

インサイドセールスでは非対面で営業を行う為業務内容を自動化させたり、近くで教育係がサポートできる体制で業務を遂行したりと新人教育を効率よく行えます。

さらにフィールドセールスでは1日に訪問できる件数に限界がありますが、インサイドセールスはその倍以上の件数をこなすことができるので経験を早い期間で積むこともできます。

データに基づいた目標設定が可能

インサイドセールスは蓄積された営業実績から傾向を把握することができるので、現実的な目標設定を行いやすいです。

対面型の営業では個人のスキルによる影響が左右されるので傾向や根拠が掴みづらい傾向にあります。

インサイドセールスは個人のスキルによる影響を受けにくいので、一定の根拠を持って目標を設定することが可能です。

見込み顧客を育てる施策が可能

リードナーチャリングという見込み顧客を育てる施策があります。

現段階では成約できる見込みがない顧客でも、インサイドセールスの営業方法であれば継続的な情報発信を行うことで商品に興味を持つまで顧客との関係性を構築することができます。

さらに顧客管理ツールを活用すれば分析も効率的に行うことができるので、顧客のニーズに対して適切なアプローチをはかることができます。

これができない状態でフィールドセールスまで移行してしまうと、顧客ニーズの把握を手探りで行うため成約率が下がり営業の難易度が高くなります。

さらに一度に対応できる件数もインサイドセールスでは多いため、修正と改善を繰り返す機会も多くなります。

これにより施策の方向性の修正と新たな施策の検討をスピーディに行うことも可能です。

社員全体の質を上げやすい

上記に挙げたマニュアル化と膨大な顧客を対応できる業務内容から最小限の人手の確保で営業を行うことができます。

さらに社内で顧客情報や営業活動を管理し共有することができるので、様々な知識やノウハウを個人レベルではなく全体で情報共有することが可能になります。

これによって社員1人1人が成約に繋がるスキルを習得しやすくなり、全体的な営業力の向上が期待できます。

デメリット

不信感を抱かれやすい

非対面での営業活動となるため対面で話す場合と比較すると信頼関係は築きにくいです。

これはメールや音声のみでは相手の表情が読み取れず、警戒心を抱かれることが原因と考えられます。

テレビ通話が搭載されているチャット機能を活用するといった顔が見える営業方法を使うといった対策を講じて安心感を与える必要があります。

商材によっては非対面が裏目に出る

実際に実物を見てからでないとわからないような商材を取り扱う場合、非対面での営業が不利に働くことがあります。

単価の安い商材も営業を繰り返して見込み顧客を顧客に変えていくので収支が合わなくなる可能性があり、インサイドセールスに適した単価の商材を選ぶことも重要です。

ショールームなどのイベントを開催して実物を見る機会を提供するといったアプローチを挟んで営業をかけるといった対策を考える必要があります。

組織化するまでの準備が必要

分業型のビジネススタイルでインサイドセールスを導入する場合は、業務内容を工程ごとに振り分ける必要があります。

その際部署ごとに業務内容の説明を行い、社員が混乱しないようにマニュアルの準備や教育スケジュールを組む必要があります。

一定の準備期間がかかる為導入するまで予想以上の時間がかかることが考えられます。

まとめ

インサイドセールスは電話による営業だけではなく、マーケティングから顧客育成と業務が細分化されています。

現在はフィールドセールスと連携して業務を行う為、一貫して業務を遂行するため役割を意識することが重要です。

E-Grant監修
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