客単価は売上向上に欠かせない要素です。
お店を経営する方の中には「客単価はどうやって計算するの?」「目標値はどれくらいに設定したら良い?」「売上が下がってきたから客単価を上げる方法が知りたい!」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
売上向上を目指すなら、客単価を日々追いかけて対策を打つことが大切です。
今回は、客単価の概要と計算方法、目標値の出し方について解説していきます。客単価を上げる7つの対策もご紹介しますね。
この記事を読めば、お店の適切な客単価を理解し、客単価を上げるための具体的な対策を把握できますよ。
客単価とは
客単価とは、お客さんが1度のお買い物で支払った金額のことです。
客数か客単価のどちらかを上げれば、売上が上がるといわれています。事業をしている方であれば、定期的に見直さなければいけない重要な項目といえるでしょう。
客単価は以下の要素から構成されています。
- 商品単価
- 買上個数
つまり、より単価の高い商品を買ってもらう施策か、より多くの商品を買ってもらう施策が必要になってきます。具体的な方法については後述しますね。
客単価の計算方法
客単価の計算方法は以下のとおりです。
たとえば、1日の売上が100,000円、客数が10人だった場合、客単価は以下のようになります。
100,000円÷10人=10,000円
基本的にどの業界でもこの計算式で客単価を求めます。
シンプルなので、売上と客数がわかれば簡単に求めることができますよ。
1日で同じ人が2回購入するケースもあると思いますが、その場合は客数を「2」ではなく「1」でカウントします。あくまでも客数で計算するので、注文数で割らないように注意してください。
客単価を分析する必要性
客単価は競合他社の動きや社会情勢の影響を受けます。
客単価が低下する原因は以下のとおりです。
- 激安チェーン店の出現
- デフレ
- ニーズの変化
コントロールができない部分ですが、そのままにしていれば売上が伸びないままですよね。
外的要因に影響されないようにするには、客単価と向き合い、効果的な施策を打つことが大切です。
まずは日々の客単価をコツコツと追い、お店の課題を把握することから始めましょう。分析した客単価のデータから今後どのような施策が必要か判断します。
販売価格や商品の見直しなどを行えば、売上アップにつながりますよ。
競争の激化や社会情勢に大きく影響を受けないよう、PDCAを回してお店の価値を高めていきましょう。
客単価の目標の出し方
売上を倍にしたいからといって「商品単価を2倍にする」「買い上げ個数を2倍にする」といった目標を掲げるのはNGです。
ここからは、客単価の目標の出し方を解説します。
お客様目線でメニューを組んでみる
自分がお客さんだったらどのような商品を購入するか考えてみましょう。メイン商品だけではなく、サブ商品を加えた最高の一式を選びます。この値段を目標の客単価にすると良いでしょう。
客単価が低いのはもちろんですが、実は客単価が上がりすぎているのも問題です。当初はお店に来てくれていたお客さんの層が離れてしまっている可能性もあります。
年齢層や性別などの属性ごとに目標値を出しておくことがおススメです。目標値と実際の金額の差が大きければ、対策を実施しましょう。
客単価が高すぎる場合は、下げる決断も必要になるかもしれません。
お店のコンセプトに見合う客単価かチェックする
「1人5,000円でお肉とお酒が楽しめるお店」「1人1,500円でケーキバイキングができるお店」などお店にはそれぞれコンセプトが設定されていると思います。
客単価の目標値を設定したら、コンセプトに見合っているか確認することも大切です。先述したように、客単価が高すぎるとお客さんが離れている可能性があります。
お店のコンセプトに見合う最大限の値段を目標単価にするのも一つのやり方です。この目標単価を超えている場合は、客単価を下げる施策が必要になるでしょう。
商品単価や商品そのものを見直していかなければいけません。
客単価を上げる7つの対策
「なかなかお店の客単価が目標値に届かない……」と悩んでいる方も多いはず。
ここからは、客単価を上げる7つの対策をご紹介します。
商品単価を上げる
最も簡単な対策が商品単価の見直しです。
ただし、値上げをする際は慎重に検討しなければいけません。
お店側としては経営上仕方のないことであっても、お客さんは少なからず残念な気持ちになるはずです。リピーターの足が遠のいてしまう可能性もあります。
こうした事態を防ぐために、可能であれば以下のことを意識すると良いですよ。
- 値上げメニューにお得感を追加する
- まずはサブメニューから値上げする
値上げをする際は、対象のメニューにちょっとしたお得感を出すと良いでしょう。飲食店の場合は、量を増やしたり具材を追加したりするのもおすすめです。
メリットのPRにも力を入れます。キャッチコピーやデザインにこだわってメニューやWebサイトなどで宣伝すると良いですよ。
まずはサイドメニューの値上げから始めるのをおすすめします。サイドメニューであれば、値上げのイメージを最小限に抑えることができるでしょう。
特典を付ける
まとめ買いを促し、1人あたりの買上個数を増やす対策も大切です。具体的には、以下のような特典を付けます。
- 5,000円以上のお買い上げで送料無料
- 2点購入で1点半額
- 定期購入で10%オフ
- 3日間限定!3点以上お買い上げの方にエコバックをプレゼント
無料・半額・割引・プレゼントなどの特典を付けると効果的です。限定性を出すと反応率が上がります。
すでに行っている場合は、きちんとPRができているか見直してみましょう。お店のPOPやWebの表示がわかりやすいかチェックしてみてください。
複数回、特典を変えて実施し、反応の良いものを見つけていきましょう。
アップセルメニューを開発する
アップセルとは、通常商品よりもグレードがアップした商品を買ってもらう営業活動です。
アップセルメニューがない場合は、メインメニューに複数のサイズを用意すると良いですよ。
上位商品には、わかりやすいメリットを加えるように意識しましょう。ただ量が増えるだけだと、お客さんは大きなメリットを感じません。飲食店の場合は、具材を複数追加したり、より高級感のある具材に変えたりする方法があります。
お客さんにお得感を感じてもらえる上位商品を用意しておきましょう。
アップセルについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
クロスセルメニューを開発する
クロスセルとは、メイン商品と一緒に、関連する商品をあわせて買ってもらう営業活動です。
クロスセルメニューとは、ハンバーガーショップでいうと「ハンバーガーセット」などのセットメニューや「ポテト」「ドリンク」などのサイドメニューを指します。
クロスセルメニューを作るときの注意点は以下2つです。
- 現行商品に関連しているか
- 商品単品で買うよりもセットメニューの方が安いか
- お客さんが求める商品・組み合わせか
お店のお客さんが求めるものでなければ意味がないため、ニーズを把握することが大切です。
ITツールや紙のアンケートを利用して「アンケートに回答すると5名に〇〇をプレゼントします」というような企画でお客さんのニーズを調査したり、同じ業界のメニューを研究したりすると参考になります。
提案力を身につける
アップセルメニューとクロスセルメニューをそろえたら、お客さんに商品を提案しなければいけません。
実店舗の場合は、スタッフの声かけが中心になります。注文を受けるときにメリットを伝えられるようにしましょう。
スタッフの育成方法は以下のとおりです。
- トークスクリプトの作成
- 接客の勉強会を実施
- ロールプレイングの実施
スタッフには、トークスクリプトの内容をスムーズに話せるようになってもらうと良いでしょう。アップセルメニューやクロスセルメニューの重要性をきちんと説明しておくことも大切です。
とはいえ、スタッフ全員のモチベーションが高いわけではありません。新しい業務が増えると少なからず反発する気持ちが出てくる可能性もあるので、成果を出したスタッフに報酬を出す仕組みを作るのも良いでしょう。
POPを作成する
実店舗の場合は、スタッフの声かけとあわせて、POPで宣伝するのも有効です。
POPがあれば、お客さんはひと目で商品のメリットが理解できます。他の商品と比べて目立つため、見つけてもらいやすいですよ。
効果的なPOP作成のポイントは以下のとおりです。
- 手書きであたたかみを出す
- 訴求ポイントを最初に書く
- 3色以内で見やすいデザインにする
ネットでPOPの作品集を見て研究するのも良いですね。
スタッフの個性が出ているPOPであれば、ファン化につながる可能性もあります。魅力的なPOPを作成していきましょう。
あらゆる決済方法に対応できるようにする
決済方法も客単価に関わってきます。
現金だけしか支払いができない場合は、決済方法を増やすことを検討しましょう。
クレジットカード決済やID決済で支払いできるお店であれば、お客さんは手持ちのお金を考える必要がありません。決済方法が増えれば、上位商品の購入や注文数を増やす可能性が高まります。
クレジットカードを使うとポイントが付くので、お客さんにとってもメリットが大きいです。
まとめ
客単価の計算方法はシンプルです。
日次ベースで客単価を管理し、お店の目標値とズレがないか確認するようにしましょう。
差が大きい場合は対策を講じる必要があります。
客単価が設定した目標値を下回り、客単価を上げる施策が必要だと判断した際は、今回紹介した7つの対策を参考にしていただけますと幸いです。
お店の売上向上のためにPDCAを回していきましょう。