自社ECサイトを運営する上で、「どうやったら効率的に集客できるんだろう?」と頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか?
集客ができなければ売上は立ちませんし、集客がビジネスの肝になると言っても過言ではありません。特に、ECサイトを立ち上げたばかりという方は、何から手を付けるべきか迷うこともあるでしょう。
そこで、今回の記事では、自社ECサイトの集客方法としておすすめできる3つの手法を解説します。
これから集客の勉強をしていくという方でもわかりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてください。また、記事の最後では、ECサイトで売上を伸ばすために重要な販促施策についても解説しますので、最後まで読んで頂ければ幸いです。
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目次
- 自社ECサイトにおける集客の基本
- 自社ECサイトの集客を増やす方法3選
- 低予算でできる「中・長期的」な集客施策とは?
- 短期的な集客施策を打ちたいならWeb広告
- 自社ECサイトで売上を伸ばすには販促施策も重要
- まとめ
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自社ECサイトにおける集客の基本
具体的な集客方法を知る前に、自社ECサイトにおける集客の基本を学んでおく必要があります。いくら集客方法を知っても、集客の重要性を理解していなければ、その効果を十分に発揮できるとは言えません。この章では、ECサイトに関する基礎的な話から、売上の成り立ち方まで解説していきます。
ECサイトとは?
ECサイトとは、Eコマースのサービスを提供するサイトのことを指します。Eコマースとは、ネットを介してモノやサービスの売買を行うことの総称です。つまりECサイトを簡単にお伝えすると、ネット上で商品の売買が行えるサイトという事になります。
単にECサイトといっても大きく2種類に分けることができ、モール型と自社サイト型に分かれます。モール型とは、Amazonや楽天と言った様々なお店が集まるモールに出店するタイプです。モールが提供するシステムを利用するため、決済システムやECサイトの構築を自分で行う必要がありません。
対して、自社サイト型は自分でECサイトや決済システムを構築する必要があります。集客に関しても1から自分で行う必要性がありますが、自由度が高いことがメリットと言えるでしょう。
ECサイトの詳細についてはこちらの記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。
ECサイトにおける売上方程式
ECサイトを運用するからには、やはり売上を出すという目的があると思います。ECサイトでの売上は以下の方程式で計算することが可能です。
『売上=集客数×成約率×客単価』
どのくらいのお客さんが訪問して、そのうちの何%が、単価いくらの商品を買うかという点が重要になります。
例えば、100万円の売上を出したいとしましょう。仮に成約率を5%、客単価を5000円とするならば、「1,000,000円=集客数×0.05×5000円」。つまり、「集客数=1,000,000円÷0.05÷5000円=4000」となります。成約率や客単価は、ECサイトによって変わりますが、月に100万円の売上を出すために、4000人の集客が必要という事です。
このように、売上の方程式を利用することで、目標金額に対する集客数や成約率を計算することができます。
自社ECサイトの集客は難しい?
そもそも自社ECサイトでの集客は難しいのでしょうか?結論をお伝えすると、モール型ECサイトに比べて難しいと言われています。Amazonや楽天と言った大手モールは、日ごろからお客さんがアクセスするため、商品を出品するだけでもお客さんの目にとめてもらうことができます。
しかし自社ECサイトでは、出品すればお客さんの目に留まるという事はありません。いわば人通りの少ない細い道に、店舗を構えたのと同じ状態です。自社ECサイトを運用する場合は、まず初めにお客さんの目に触れる機会を増やすための取り組みを行う必要があります。
売れるECサイトにするための集客方法3選
自社ECサイトで集客するための方法は大きく3つです。
- 【長期・予算低】SEO集客
- 【長期・予算低】SNS集客
- 【短期・予算高】Web広告を利用した集客
いづれもECサイトを運営する上で大変重要です。
SEO対策は、検索エンジン最適化によって、検索結果上位表示を目指すことです。SNSマーケティングは、SNSを利用して、商品やサービスを発信することで、フォロワーにアプローチします。
そして、webマーケティングは、インターネット上で掲載される広告のことで、多くのユーザーにリーチすることができます。Google AdWordsやFacebook Ads、Twitter Adsなどの広告プラットフォームを利用して、ターゲット層を絞り込んで広告を掲載することで、自社サイトへのアクセスを促すことができます。
これらの方法を組み合わせることで、より効果的なECサイト集客が可能となりますので、以下で詳細を紹介します。
【長期・予算低】SEO集客
どんなECサイトであっても、取り組んでほしい集客方法が検索エンジンからの集客(SEO集客)です。SEOとは、「Search Engine Optimization」の略で、日本語で検索エンジン最適化と呼ばれています。簡単にお伝えすると、GoogleやYahoo!と言った検索エンジンの検索結果において、上位表示を狙う施策のことです。
お客さんが検索をした際に、自社ECサイトを認知してもらうことで、流入数増加を狙います。検索順位で1位をとることは簡単ではありませんが、上位表示させるためのルールに従うことで、できるだけ上位を狙うことが可能です。初めての場合は難しいかもしれませんが、検索結果において上位表示するために、ルールに従う必要があると覚えておくと良いでしょう。
【長期・予算低】SNS集客
国内におけるSNS利用者数は8,000万人近くに昇ると言われています。X(旧:Twitter)、Instagram、TikTokなど趣味や情報収集で利用するSNSもあれば、LINEのようなコミュニケーションを主体とするSNSも存在します。
幅広い層が利用しているSNSを活用することにより、自社ECサイトの認知度向上に繋がるでしょう。また、SNS特有の拡散力もメリットの1つです。
現代においては、ブログのような記事型コンテンツだけではなく、TwitterやInstagram、YouTubeなどから口コミの情報を参考にすることが多くなっています。消費者のリアルな声が届きやすいという事が、SNSの情報を参考にする方が増えた1つの要因と言えます。
また、SNSによって向いているジャンルが異なるため、自社が扱う商品との相性を確かめることが大切です。
【短期・予算高】Web広告を使用した集客
Web広告と聞いて、イメージが湧きますでしょうか?
インターネット広告とも呼ばれることがありますが、インターネットが普及している世の中において、目にする機会が非常に増えています。広告と言ったら、看板やつり革広告、テレビCMが思い浮かぶかもしれません。しかし、インターネットを利用した経験がある方であれば、必ず一度は目にしているでしょう。
広告を出すためには、少なからず費用がかかってしまいますが、自社ECサイトへ直接流入を促せるというメリットがあります。場合によっては売上より広告費が上回って赤字になることも考えられるため、注意が必要です。
以下からはWeb広告においてよく目にするものをご紹介します。
リスティング広告
リスティング広告とは、検索エンジンにおける検索結果画面に表示される広告になります。検索連動型広告やPPCとも呼ばれ、広告がクリックされることで費用が発生します。
利用したことがない方にとっては難しく感じるかもしれませんが、いつでも簡単にスタートすることができ、月1000円程度からでも出向できるのがメリットと言えます。
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは、サイトやSNSを保有している媒体主に、自社商品を紹介してもらう広告です。
一般的には、お客さんが、自社商品やサービスへのリンクを通して成約につながった場合に報酬が発生します。成果が出た際に報酬を払う仕組みのため、費用対効果が高く、初期費用が少ないことがメリットと言えます。
ディスプレイ(バナー)広告
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリの広告枠に表示される広告を指します。広告の種類としては、画像や動画、テキストといった種類があり、バナー広告と呼ばれることもあります。
リスティング広告に比べると成約率は低くなってしまいますが、潜在層(自分の悩みに気づいていないお客さんや、悩みに気づいているけど行動できていないお客さん)にアプローチして認知拡大できるのがメリットです。
SNS広告
FacebookやTikTok、Instagram、X(旧:Twitter)といったSNSに配信する広告です。
SNSの利用が一般化し、ユーザーの利用者数が年々増えているため、企業とお客さんの接点となる機会として需要が増しています。幅広い層にアプローチできるのはもちろんですが、自社の商品に興味関心を持つユーザーにアプローチしやすいことがメリットと言えるでしょう。
低予算でできる「中・長期的」なECサイト集客施策とは?
自社ECサイトを運用する際に、いきなり広告費をかけて始めるという方は多くはないでしょう。そこで、ここからは中・長期的な目線で低予算で行える集客施策について解説します。
すぐに効果が出るものではありませんが、長期的な目線を持ってコツコツ施策を取り組むことによって、将来的に大きな売上に繫がる可能性もあります。今回は3つ紹介しますので、集客施策を行う際の参考にしてください。
①コンテンツマーケティングによるECサイト集客
自社ECサイトの集客方法の1つとして、SEO集客を紹介させていただきましたが、SEO集客もコンテンツマーケティングです。コンテンツマーケティングを想像したときに一番最初に思い浮かぶ代表例という事もできるでしょう。そもそも、コンテンツマーケティングとは、お客さんにとって価値あるコンテンツを制作・発信することで、商品の購入を促し、最終的にはファンとして定着させることを目的としています。
そのため、自社ECサイトを紹介する際も、単に商品の購入ページを用意するのではなく、商品の魅力や活用法を説明することが効果的です。お客さんに価値ある情報を届け、興味・関心を持ってもらうことで商品の購入へと繋がります。
また、SEO集客のメリットとして、ブログで構築することで、コンテンツが蓄積していくというメリットが挙げられます。コンテンツが充実するほど価値は高まりますし、検索順位における評価も高くなるでしょう。初期費用が安価にも関わらず、中・長期的な目線で大きな役割を果たします。
➁SNSを活用したECサイト集客
低予算でできる集客の1つがSNS集客です。また、SNS集客においても広告を用いなければ無料で始めることができます。すぐに効果が出ることは期待しにくいですが、各SNSの特徴を理解して運用することで、中・長期的な効果が期待できます。例えば各SNSごとの特徴は以下の通りです。
・Twitter
拡散力が高く、認知向上や情報伝達を得意とする
・Instagram
視覚的に訴えることができるため、アパレル、コスメ、飲食業界向き
・Facebook
実名制で信頼度が高く、様々な業種のプロモーションに使用されている
SNSでフォロワーや影響力を増やしていくためには、コツコツ投稿を続けていく必要がありますが、お客さんにニーズに合わせた情報発信をしていくことで、ECサイトの売上に繫がっていくでしょう。
③顧客リストの獲得
顧客リストとは、お客さんにアプローチすることのできる情報のことです。情報の種類は様々で、電話番号やメールアドレス、住所といったものが挙げられます。
SNS集客やSEO集客は、新規のお客さんにアプローチすることを主な目的としていますが、顧客リストを活用する目的は、すでに自社と接点のあるお客さんに対しアプローチすることに目的があります。というのも、既存顧客にリピーターになってもらうより、新規顧客を獲得するほうがコストも手間もかかってしまうからです。
最近では、メールマガジンやLINE公式アカウントが利用されることが多く、お客さんの属性やニーズに合わせた配信を行うことで、商品の購入に繋げることができます。
メールマガジンやLINE公式アカウントへの登録者を増やすには、地道な施策やキャンペーンが必要になりますが、中・長期的に売上UPや貴重な情報資産となるでしょう。
④動画マーケティング
動画は視聴者の感情移入を促進する貴重な手段です。
ファッションでは着心地や素材の質感、自動車では外観や乗り心地など、静止画では伝わりきらない要素を表現するのに最適です。
商品の使用方法やメンテナンス手順などの伝達にも適しています。
近年、動画コンテンツへの需要が急増しています。その背後には、5Gの実用化によりデータ重視の動画を視聴しやすくなった環境があるとされています。
また、コロナ禍で対面セールスや店舗での接客が制限された際にも、動画は商品の魅力を的確に伝える手段として注目されました。
既に大手サイトでは、YouTube動画を商品詳細ページに埋め込むなど、動画を効果的に販促に活用しています。
例えば、モノタロウがその一例で、商品ページにYouTube動画を組み込んでいます。
アパレル通販サイトも、Instagramで商品の着用動画をライブ配信し、顧客とのコミュニケーションを深めています。
短期的な集客施策を打ちたいならWeb広告
短期的な集客施策を打ちたいなら、Web広告を活用するのがおすすめです。すぐに配信を始めて、自社のターゲットとなるお客さんにアプローチできるため、すぐに効果を実感することができます。まずは認知度を上げるために広告を配信し、うまく行けば継続的に広告費にさらに投資することで、売上が伸びていきます。
短期的な集客施策に対し、コンテンツマーケティングやSNS集客といった中・長期的な集客施策も、成功させることで大きな集客力となる可能性を秘めています。しかし、その反面、時間がかかってしまうというデメリットが存在するのも事実です。SEO集客においても、最低でも1年はコツコツ情報発信する必要があると思っておくと良いでしょう。
そのため、集客施策を打つ際は、短期的に広告運用して集客を行い、中・長期的にコンテンツマーケティングなどを実践するといったように、計画的に集客施策を打つことが重要になって来ます。
自社ECサイトで売上を伸ばすには販促施策も重要
自社ECサイトを運営する上で、集客施策の実施は欠かせません。お客さんを集めることで、売上を着実に伸ばしていくことができるでしょう。しかし、さらに売上を伸ばしていくためには販促施策を打つことが必要です。
販売促進とマーケティングの違いとは?
そもそも販売促進とは、商品をアピールすることによって、お客さんの購買意欲を高めるための活動を指します。そう聞くと、「マーケティングと同じ意味じゃない?」と疑問に感じるかもしれませんが、販売促進とマーケティングには明確な違いがあります。
それは主観の違いです。マーケティングは「お客さん目線」になってニーズをくみ取り、商品の購入に繋げるのに対し、販売促進は「商品そのもの」に目線を向けています。つまり、売りたい商品をいかに魅力的に見せるかを考えるのです。
また、簡単に長期的に行う施策をマーケティング、短期的に行う施策を販売促進と認識しても良いでしょう。
販売促進の3つの例
販売促進の例として、3つの例を取り上げます。
- 商品サンプルの試供
- ポイント還元率アップ
- 割引クーポン
日ごろからECサイトを利用する方は、目にする機会もあるのではないでしょうか?現代において、販売促進を行って差別化することの重要性が増しています。
というのも、ライバルとなるECサイトの数は年々増加しているからです。また、企業だけでなく小さな店舗や個人が情報発信を行うようになった事で、この世の中はモノや情報であふれかえっています。そんな中、自社の商品を手に取ってもらうには、お客さんの購買意欲をいかに刺激するかが大事になるのです。
お客さんの興味を引いて、自社の商品の魅力を知ってもらうために、どんなアプローチができるのか?常に考えることが重要になります。
ECサイトで成功した企業の事例
ここでは企業の具体的な事例を2つ紹介します。
SNS活用で売上アップしたライスフォース
スキンケア化粧品の「ライスフォース」などの通販を手がけている株式会社アイムでは、ユーザー生成コンテンツ(UGC)を活用したマーケティング施策を行いました。具体的にはInstagramに投稿されたライスフォースに関連する画像をECサイトのコンテンツとして掲載したそうです。その結果、コンバージョン率や直帰率の改善に成功しました。また、言語に影響されない写真の掲載は越境ECでも手ごたえを実感しているそうです。
参考:Instagramの投稿写真でCVRが1.6倍に!ライスフォースのECサイトにおけるUGC活用のポイントとは?【企業担当者に聞くSMM最前線】
ユーザーとの接点増加で成功したオリオンビール
沖縄県に本社を置きビールの製造、販売を行うオリオンビールは、コロナ禍の影響でビールの消費量が大幅に減ってしまいました。そこでSNSを活用しさまざまなコンテンツを配信したそうです。オリオンビールの潜在的なファンに楽しんでもらえたことで、公式アカウントのフォロワーが増え接点を増やすことができました。SNS活用とサイトリニューアルの相乗効果により、前年比で販売件数と売上が約50倍になったそうです。
参考:外出自粛でも沖縄とビールの楽しさを届ける EC売上約50倍の成長に貢献したオリオンビールのSNS戦略
まとめ
自社ECサイトにおける基本や集客方法の種類について解説しましたが、いかがだったでしょうか?Amazonや楽天といった大手ECモールに出店することに比べ、自社ECサイトを運営するハードルは高くなっています。モノや情報であふれかえり、ライバルとなるECサイトが増加する世の中においては、なおさらです。
しかし、集客施策をコツコツ実践することで、自社ECサイトで売上を伸ばすことも可能と言えます。自らの力で集客できたという喜びは大きいものになりますし、長期的にECサイトを運用する上で、自ら集客できる力は重要になってきます。
今回の記事で解説した内容が、今後の集客施策を実践する上でお役に立ちましたら幸いです。