SFAと聞いて、具体的にどのようなものか思い浮かびますでしょうか?SFAは、営業支援システムとも呼ばれており、営業活動の効率化や業務改善を目的として導入されています。
また近年、SFAと比較されることの多い、CRMやMAといったツールの導入も進んでおり、業務改善や顧客管理に注目している企業が増加している現状があります。
そこで本記事では、SFAの概要や機能といった基礎知識から、CRM・MAとの違いについて解説します。記事後半では、SFA導入における成功のポイントや注意点に関しても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。SFAに関する知識を深めて導入成功に向かいましょう。
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SFAとは何か
そもそもSFAとはどういったものなのでしょうか?メリット・デメリットや他ツールとの違いを知る前に、SFAの基礎知識について理解を深めていきましょう。
SFAの意味
SFAとは、Sales Force Automationの略で、日本語で営業管理システムと呼ばれます。その名の通り、営業部門の支援をするシステムとなっており、具体的に営業部門における情報の蓄積や業務プロセスの改善、蓄積したデータからの分析を行うことができます。
営業の業務プロセスは、顧客リストの作成からテレアポ、提案書や見積書の作成、対面での商談、既存顧客のアフターフォローなど幅広いものです。そんな中、SFAを導入することによって、反復作業の自動化など業務改善を行うことができます。
営業部門の業務を効率化し、蓄積したデータから売上を伸ばすための取り組みに繋がるシステムと理解すれば間違いないでしょう。
SFAの機能について
SFAの機能は多岐にわたりますが、下記の6つの機能が主に挙げられます。
- 顧客情報の管理
- 案件情報の管理
- 見積書作成
- 売上予測、予実管理
- 営業の行動管理
- スケジュール、タスク管理
顧客の名前や役職、名刺といった基本的な情報に加え、営業活動における商談の進捗度の管理を行うことができます。また、見積書の作成など、手間のかかる業務をサポートしてくれるのも特徴と言えるでしょう。
営業における行動を管理することで、数値化してデータとして蓄積するだけでなく、分析・情報共有ができ社内にノウハウを蓄積することもできます。SFAの機能により、業務の効率化だけでなく売上向上にも繋がるでしょう。
SFAのメリット
SFAは多くの機能を兼ね備えていますが、それらの機能によって以下のようなメリットが得られます。
- 見える化により営業プロセスの問題点の発見・解決に繋がる
- 部署内での情報共有ができる
- 営業業務が効率化される
- ノウハウを共有し営業能力向上が図れる
それぞれ解説します。
見える化により営業プロセスの問題点の発見・解決に繋がる
営業活動のプロセスを見える化できることが、SFAの大きなメリットです。見える化により、「誰がどういった業務をどのくらいの進めているのか」という点が共有できるため、素早い問題点の発見・解決に繋がります。
モバイルにも対応していることが多く、出先で情報を入力することで、上司やマネージャーからの素早いフォローやアドバイスをもらうこともできます。
また、アドバイスをもらうだけでなく、蓄積されたデータから似たような事例を探して、自ら改善策を探すことができるメリットもあります。
部署内での情報共有ができる
営業の部署内において、顧客の情報や営業ノウハウが共有されることは少なく、個人で抱えることが多いです。そのため、緊急時やトラブルが起きた際に、担当者以外が適切な対応をすることが難しいという現状があります。
顧客の情報を知らないために、同じことを何度も伝えてしまう可能性もあり、顧客満足低下の原因にもなるでしょう。
しかし、SFAを用い事前に顧客の情報や進捗度の共有をすることで、二重のコミュニケーションを防ぎ、顧客にとって適切な対応をとることができます。担当者が変わっても、常に迅速で適切な対応をすることで、顧客満足度も向上することも考えられます。
営業業務が効率化される
営業業務の活動状況や進捗を簡単に共有できるため、情報共有にかかる無駄なコストを削減できます。特に、会議や社内でのコミュニケーションにおける資料準備を省くことができるため、事務作業を減らし、営業活動に注力することが可能です。
また、業務引継ぎという面でも効率化できるでしょう。個人で情報を管理すると、部署移動や退職の業務引継ぎの不備が起こることも少なくありません。SFAを使用して、営業活動のプロセスや状況を管理しておくことで、スムーズな引継ぎができます。
ノウハウを共有し営業能力向上が図れる
データが蓄積していくたびに、行動の指針となる参考事例が増えます。営業活動において行き詰った際でも、過去の類似した事例を参考にすることで、顧客にとって最適なアプローチができるでしょう。
また、新人教育に役立つという点もメリットです。過去の先輩の事例や成功例を見ることで、自ら営業のノウハウを得やすくなります。これにより、教育コストが下がるだけでなく、成果を上げやすくなることも考えられます。上司やマネージャーの負担削減に繋がるでしょう。
SFAのデメリット
ここまでメリットについて解説しましたが、もちろん良いことばかりではありません。SFAを導入するデメリットとして以下の3つも挙げられます。
- システムの定着まで時間がかかる可能性がある
- 新しい業務が増え負担がかかる
- 教育やシステム導入にコストがかかる
それぞれ解説します。
システムの定着まで時間がかかる可能性がある
SFAに限った事ではありませんが、新しいシステムを導入する上で、必ず直面する問題です。どれだけ良いシステムを導入しても、すぐに社内に定着されるわけではありません。
普段からITツールに触れる機会が少なく、慣れている方が少ない場合は、特に定着までの時間がかかるでしょう。できるだけわかりやすいマニュアルを用意したり、操作性が良く使いやすいSFAを導入するといった工夫が必要になります。
新しい業務が増え負担がかかる
どれだけ便利なシステムとは言っても、今までと異なる作業が増えることには変わりありません。業務の効率化や営業プロセスの見える化ができるSFAですが、データの蓄積を行い効果を発揮するには、データの入力が必要不可欠と言えます。
出先で営業活動をするたびにデータ入力を負担に感じてしまう方もいるでしょう。システムの定着を促す対策と同様に、できるだけ負担を減らすためにも使いやすいシステムを導入することが大切です。
システム導入や教育にコストがかかる
SFAを導入する上でコストの問題は避けられません。初期費用や月額費用といったコストだけでなく教育にかかるコストも挙げられます。コストの発生を前提としたうえで、費用対効果がどのくらいになるのか導入前にシミュレーションをしておきましょう。
また、システムによっては、無料トライアルを実施しているものがあります。導入前に費用対効果を計測したい場合は、一度利用してみることをおすすめします。
SFAとCRM・MAの違い
SFAと同じように注目されているシステムとして、CRMとMAが挙げられます。これらのツールは、一体どのような違いがあるのでしょうか?SFAとの違いをそれぞれ解説します。
SFAとCRMの違い
CRMとは、Customer Relationship Marketingの略で、日本語で「顧客関係管理」という意味を持ちます。CRMの目的は、顧客との良好な関係を築き、顧客満足度や売上の向上を狙うことです。顧客の属性や購買履歴といった情報を蓄積することで、適切なアプローチが行えるようになります。
情報の蓄積というと、SFAと似ていると感じるかもしれませんが、SFAとCRMには明確な違いが存在します。
それは、情報共有を行う部署についてです。SFAが営業部門において顧客や活動状況の情報を共有することに比べ、CRMはすべての部門で情報を共有し役立てます。
CRMについては以下の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。
SFAとMAの違い
MAは、Marketing Automationの略で、マーケティング活動を自動化するシステムです。自動化というとマーケティング活動の全てを自動化すると勘違いしがちですが、MAが自動化するのは、見込み客に対する継続的なコミュニケーションとなります。
SFAとの違いですが、MAが見込み客に興味を持ってもらうことを目的としているのに対し、SFAは自社商品に興味を持った見込み客に対して商品を購入してもらうことにあります。つまりMAとSFAは対応しているプロセスに違いがあるということです。
SFA導入を成功させるポイント
コストをかけてSFAを導入するからこそ、成功させたいと気持ちがあるはずです。SFA導入を成功させるには以下の3つのポイントが重要になります。
- 導入の目的を明確にする
- KPIの設定・測定をする
- PDCAをできるだけ早く回す
それぞれ解説します。
導入の目的を明確にする
SFAを導入することで、どのような結果が得たいのかあらかじめ考えておくことが大切です。SFAには数多くの機能が備わっていますが、「必要な機能が備わっていなかった」「余分な機能が多くコストが高くなってしまった」という事態も考えられます。
SFAの導入を考えたからには、解決したい問題や課題があるはずです。スムーズな導入を行い後悔しないためにも、どの問題を解決したいのか明確にしておきましょう。
KPIの設定・測定をする
SFAを有効活用し効果を実感するためには、KPIの設定・測定が重要になります。KPIとは、最終的な目標を達成するための達成度合いを計測するための指標です。営業活動においては、営業回数や成約率、顧客単価などが挙げられます。
SFAを用いることで、営業プロセスを細分化し見える化することができますが、目標の数値が無ければ効果や成果を実感することができません。SFAを有効活用するためにも、それぞれの営業プロセスにおけるKPIを設定するようにしましょう。
PDCAをできるだけ早く回す
SFAは、営業プロセスの効率化や見える化により、営業活動の補助をしてくれるものであり、導入するだけですぐに効果が表れるわけではありません。データを蓄積し、業務改善を行い、売上の向上に繋げていくには、KPIを測定したうえで、PDCAを回すことが必要です。
一度に全ての営業プロセスを改善することは現実的ではありませんが、設定したKPIを元に、地道に測定・改善を繰り返すことが大切です。SFAによっては、業務の改善を手伝ってくれるコンサルティングが用意されている場合もあるため、有効活用するのも1つの手でしょう。
SAFを導入する上での注意点
SFAを導入する上で押さえておくべき注意点も存在します。SFA導入で後悔しないためにも以下の3つの注意点を押さえておきましょう。
- 導入して満足しない
- 既存のツールとの連携を確認しておく
- 蓄積したデータの分析や導入できる人材がいるか
それぞれ解説します。
導入して満足しない
SFAは、営業活動を支援する多くの機能を持ったシステムです。しかし、導入するだけで営業活動への効果が実感できるわけではありません。
SFA導入を成功させるためにPDCAが大事とお伝えしましたが、正しい実践・改善ができなければ効果として表れにくいと言えます。あくまでもSFAは、営業活動を支援するツールという認識を持って、正しい運用を行うことが大切です。
既存のツールとの連携を確認しておく
SFAを導入後に悔やまないためにも、既存のツールとの互換性を確認しておきましょう。
SFAは営業支援システムであり、営業プロセス以外では大きな効力を発揮できないのが現実です。そのため、MAやCRMと連携させて運用することも十分考えられます。
また既存のツールとの互換性だけでなく、将来的な連携も考慮して、SFAの導入を検討することが大切です。
蓄積したデータの分析や導入できる人材がいるか
SFAは営業活動におけるデータを蓄積する役割がありますが、データを蓄積するだけでは意味がありません。売上の向上に繋げるには、得られた情報を元に、顧客情報の活用やノウハウの体系化が重要になります。
SFAを導入する上で、活用できる人物がいるのか、あらかじめ確認しておきましょう。また、導入したもののほかツールとの連携がうまくとれないといったトラブルも考えられるため、合わせてシステム周りに詳しい人材がいるかも確認することもおすすめです。
まとめ
ここまでSFAに関して解説しましたが、いかがだったでしょうか?SFAは、営業活動の効率化・改善を行うための多くの機能が備わっているシステムです。
しかし、導入するだけでは効果は十分に発揮されません。KPIの設定やPDCAサイクルを回すといったように、SFAを有効活用するための行動を心がけるようにしましょう。
本記事を読むことで、SFAに関する理解が深まり、スムーズなシステムの導入に繋がると幸いです。