リマーケティング広告とは?仕組みや費用相場、効果的な使い方を解説

2022/06/07

購買意欲の高いユーザーにアプローチできるリマーケティング広告は、売上を伸ばす手段として採用される機会が多くなっています。実際に取り入れることで「顧客獲得数が大きく増えた」「成約率が大幅に伸びた」という事例も存在しています。

しかし、広告は出すためには費用がかかることもあり、出稿経験のない方にとってハードルが高くなっているといるのも事実です。

そこで本記事では、リマーケティングの仕組みやメリット・デメリット、費用面について詳しく解説します。記事後半では、リマーケティングの設定方法や注意点についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

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リマーケティング広告とは?

リマーケティング広告とは、自社のサイトにアクセスして離脱したユーザーに対し、繰り返し広告を配信する方法です。

一度サイトに訪れたことから、購買意欲が高いと考えられるため、複数回にわたって広告を表示させることで、再び購入の検討を促します。

以下では、リマーケティング広告についてさらに詳しく解説します。

リマーケティング広告の仕組み

あらかじめwebサイトに専用タグを埋めることで、訪れたユーザーに対し、cookie(クッキー)を付与します。その結果、ユーザーの追跡が可能となり、再度別サイトを閲覧した際に広告を表示できる仕組みです。

■cookie(クッキー)とは?
ユーザーがwebサイトを訪れた際に、入力した情報や閲覧情報をブラウザに一時的に保存する仕組みです。現在地にあわせた情報の表示やログイン状態の維持、広告配信が可能となります。また、情報を保存するためにcookieのファイルが生成されますが、容量は非常に小さいもとになるため、デバイスの空き容量が大きく減少するということはありません。

リターゲティング広告との違い

リマーケティング広告と似た言葉として、リターゲティング広告というものが存在します。名称が似ているために。混同して使われることがありますが、この2つには広告が配信される媒体の違いにあります。

Googleで広告配信される場合・・・リマーケティング広告
Yahoo!やFacebook広告といったGoogle以外での広告配信・・・リターケティング広告

上記のように、広告配信を実施する媒体によって名称が異なるものの、サイトに訪れたユーザーに対し再度アプローチするという仕組みは変わりません。あくまでも名称だけが異なるという認識を持っておきましょう。

リマーケティング広告のメリット

ここからはリマーケティング広告のメリットについてご紹介します。メリットは大きく以下の3つです。

  • CVR(成約率が高い)
  • 比較検討しているユーザーに再アプローチできる
  • CPAの低減が期待できる

それぞれ解説します。

CVR(成約率が高い)

リマーケティング広告によりユーザーにアプローチした場合、CVRを高められるというメリットがあります。ここで言うCVRとは、広告が表示されてサイトを訪問したユーザーの内、何人が成約まで至ったのかという割合のことです。

リマーケティング広告でCVRが高くなるのは、一度webサイトに訪れたことがあるユーザーに再アプローチを行うため、新規のユーザーに比べ興味関心が高いことが考えられます。

比較検討しているユーザーに再アプローチできる

一度webサイトを訪れたとしても、その大半のユーザーは商品を購入せずに離脱します。即決しない理由の1つとして、他社とも比較検討したいという場合が考えられますが、比較検討する内に、自社の商品への興味が薄れることも少なくありません。

そのため、広告を表示することで、再度自社製品を思い出してもらい、購入のきっかけを作ることに役立ちます。複数回にわたって表示することで徐々に興味関心が高まるという効果も期待できるでしょう。

CPAの低減が期待できる

CPAとはCost Per Actionの略で、日本語で1件の成約を出すためにかかる費用を指します。リマーケティング広告においては、CVRが高まるため、同時にCPAの低減が期待できます。つまり少ない費用で成約を出せるということです。

また、費用が少なくなることで、利益の向上も期待できます。利益が上がれば広告運用にも余裕ができるため、さらなるリマーケティング広告への投資や他戦略に力を入れることができるでしょう。

リマーケティング広告のデメリット

リマーケティング広告には、メリットだけでなく、以下のようなデメリットも存在します。

  • ユーザーを不快にさせる可能性がある
  • 新規ユーザーの獲得が困難
  • 知見のある人災の確保・教育が必要

それぞれについて解説します。

ユーザーを不快にさせる可能性がある

繰り返し同じ広告を表示することによって、ユーザーにマイナスな印象を与える可能性があります。単に商品の購入に繋がらないだけでなく、会社のイメージの低下につながるケースもあるため、注意が必要です。

また、悪い印象をつけないための対策として、「表示回数の変更」が挙げられます。フリークエンシーキャップという機能を用いることで、1ユーザーあたりに表示する回数を変更できるため、ユーザーのストレスにならないように工夫することができます。

新規ユーザーの獲得が困難

リマーケティング広告は、あくまでも自社商品に興味関心を抱くユーザーに向けての広告です。新規顧客を獲得するための広告ではないということはあらかじめ押さえておきましょう。

また、自身のニーズが明確になっていない潜在ユーザーにおいても不向きと言えます。新規や潜在ユーザーを獲得したい場合は、SNS広告や動画広告といった別の手法を試すことが大切です。

知見のある人材の確保・教育が必要

リマーケティング広告の効果を十分に発揮するためには、知見のある担当者による実施や改善が必要不可欠です。人材がいない場合、新たな人材の確保や教育が必要になるため、コストがかかる可能性があります。

また、広告の出稿をするにあたり、LPのデザイン作成や改善が求められること考えられます。社内の人材だけでなく、外部への業務依頼も発生することを念頭に置いておきましょう。

リマーケティング広告の種類

単にリマーケティング広告とは言っても、その種類は多岐にわたります。ここでは、リマーケティング広告の代表的なものを4つ紹介します。

①標準のリマーケティング広告

まず1つ目が、標準のリマーケティング広告です。自社のwebサイトを訪れたユーザーに対して、広告を表示する方法です。

テキストやバナーといった形式の広告となり、自社のwebサイトにタグ付けをし、ユーザーのデータを収集することで、広告配信ができます。

➁動的リマーケティング

動的リマーケティングは、過去にユーザーが閲覧した商品やサービスを判別し、それと関係性の深い広告を表示させるという方法です。

リマーケティング広告が「広告を表示させるのみ」という機能に対し、動的リマーケティングは、「ユーザーによって広告内容をカスタマイズ」することができます。

より興味関心の高い商品を表示してアプローチができるため、見込み客の獲得や成約が伸びを期待できるでしょう。

③検索広告向けリマーケティング

検索広告向けリマーケティングは、webサイトを訪れたことがあるユーザーが検索した際に、入札単価や広告の形式を出し分けるという方法です。

入札単価とは、広告を掲載する際に支払ってもよい単価のことを指し、高い金額で設定するほど広告が表示される確率が高くなります。

一度サイトを訪れているユーザーの場合、再度広告を表示させることで購入してくれる可能性が高めるため、この場合にのみ入札単価を上げるといったカスタマイズができます。

④動画リマーケティング

自社の動画を視聴した経験や、YouTubeチャンネルに訪れたことのあるユーザーに対して、広告をカスタマイズできるという方法です。

動画を過去に視聴している場合、一定数の興味関心があると考えられるため、広告を使いうまくアプローチすることで、費用対効果の向上を図ることができます。

また、「動画を視聴した」という行動だけでなく、「高評価・低評価、共有する」など動画に対する操作によって、広告を表示することができるという特徴があります。

リマーケティング広告にかかる費用

リマーケティング広告を実施する上で、費用の発生は避けられません。1日の上限金額の設定ができるため、予想以上のコストがかかる心配はありませんが、クリック課金とインプレッション課金という2つの方式があるため、それぞれ理解しておくとよいでしょう。

クリック課金

クリック課金とは、出稿した広告がクリックされた際に費用が発生する方式です。広告のクリックがない場合は費用が発生しないため、無駄なコストを支払う必要がありません。

1クリックあたりの費用は検索キーワードや業界によって変わるため、正確な数字を出すことはできませんが、100円~1,000円ほどと言われています。

1クリックあたりの単価が200円で、1日の50回クリックされた場合、200×50で10,000円となります。

インプレッション課金

インプレッション課金とは、広告の表示回数(インプレッション)が1000となるごとに広告費用が発生する方式です。一定表示回数に対して費用が発生するため、クリック率が高いほど低いコストで広告を出稿できます。

相場としては、10円~500円程度と言われており、クリック課金の場合と同じように、キーワードや業界によって異なります。

それぞれ解説しましたが、クリック課金とインプレッション課金のどちらで実施するか迷うこともあるでしょう。その際は、実際に広告を出稿して数値の計測をすることが大切です。

自社の広告における単価、クリック率を調査することによって、どちらがお得になるかを知ることができます。

リマーケティング広告の設定方法

ここからはリマーケティング広告の設定方法について解説します。「タグの設定」「リストの作成」「広告の作成紐づけ」の3つの手順に分かれるため、それぞれについて紹介します。

①タグをwebサイトに設置する

まずやるべきは表示させたい広告のタグを取得し、自社のwebサイトに設定することです。このタグはグローバルタグと呼ばれることもあり、設定することでcookieでの追跡が可能となります。また、タグの取得はGoogle広告、Yahoo!広告の管理画面から取得可能です。

タグを設置する際は、トップページに設定するだけでなく、各ページにも設置することで、ユーザーのより細かなニーズを把握することができます。

➁リマーケティングリストの作成

次に、webサイトに訪れたユーザーに関するリストを作成します。リマーケティングリストとは、webサイトを訪れたユーザーの内、誰に対して広告を配信するべきか細かく決めるためのリストです。

1人1人のユーザーをリスト化することにより、より精度の高い広告配信が可能となります。また、リストは1つだけでなく、複数作成することにより、どのリストに広告配信した際に効果が見込めるのかテストすることができます。

③広告の作成と紐づけ

リスト作成まで完了したら、実際に広告配信をする準備に移ります。Google広告やYahoo!広告からキャンペーンを作成し、任意のマーケティングリストと紐づけを行いましょう。

リストとの紐づけを行わずに広告を出稿した場合、配信するユーザーが特定されず、あらゆるユーザーに広告が配信される可能性があります。広告費用が膨れ上がり、効果の薄い広告となることも考えられるため、紐づけを忘れないよう注意が必要です。

リマーケティング広告を実施する際の注意点

リマーケティング広告をうまく活用することで、CVRの向上や売上の拡大を期待ができます。しかし、正しい活用方法をしなければ、広告費用だけが積み重なり、期待していた効果を発揮できないことも考えられます。

リマーケティング広告の力をうまく活用するためにも、以下の3つの注意点をあらかじめ理解しておきましょう。

表示回数を増やし過ぎない

1つ目の注意点は、表示回数を増やし過ぎないということです。ここでいう表示回数とは、1人あたりに表示する回数を指します。同じ人に繰り返し広告を表示することで、不信感を抱かせるきっかけになります。

一度自社のwebサイトに訪れていることを考えると、自社の商品やサービスをすでに認知していることが多いでしょう。そんな中、しつこく広告を表示することで、自社のブランドに対してマイナスなイメージが付く可能性があります。

リマーケティング広告は、1ユーザーに対し何日間・何回に渡って広告を表示するか設定できるため、適切な回数に調整することが大切です。

リマーケティング広告だけに頼らない

リマーケティング広告は、あくまでも自社のwebサイトに訪れたことがあるユーザーにアプローチする広告です。そのため、自社のwebサイトを訪れたことのない新規顧客に対して幅広くアプローチすることができません。

CVRが高いとされるリマーケティング広告ですが、売上を伸ばすためにはリスティング広告やディスプレイ広告など、新規顧客を獲得できるものとうまく組み合わせる必要があります。

獲得したリストの質に成果が左右される

自社のwebサイトに訪れたユーザーに広告配信をできるため、何らかの興味関心を抱いている方にアプローチできるのは間違いないと言えます。

しかし、webサイトを訪れたからといって商品購入を検討しているとは限りません。商品ではなく知識を得るために、webサイトを訪れている可能性もあります。

自社のwebサイトに訪れた人が本当に商品に興味を抱いているのか?どのページにアクセスした人が、より興味関心が高いのか?常に効果を計測して広告配信の質を高めることが必要です。

まとめ

ここまでリマーケティング広告に関して解説してきましたが、いかがだったでしょうか?自社に興味関心を持つユーザーにアプローチできる広告であり、高いCVRを期待することができます。

しかし、企業によって取り扱っている商品やwebサイトが異なるため、どれくらいの効果が発揮できるかは一概にお伝えすることができません。

広告の出稿自体は手軽に行うことができるため、一度標準のリマーケティング広告などを実践し、効果を計測してみるのもよいでしょう。その際は、本記事の内容を参考にしていただけると幸いです。

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