マーケティング活動における顧客データの収集・分析で用いられるCDPですが、その意味や詳細についてご存知でしょうか?CDPは顧客理解を進め、1人1人のデータを紐づける上で重要なプラットフォームです。
そこで本記事では、CDPの基本的な意味や導入するメリット、利用する際の注意点について解説します。記事後半では、プライベートDMPやパブリックDMPについても取り上げますので、ぜひ参考にしてください。
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目次
- CDPとは?
- CDPが必要とされている理由
- CDP導入でできること3つを紹介
- CDPの5つのメリットを解説
- CDPの3つの注意点
- プライベートDMP、パブリックDMPの特徴とCDPとの違い
- CDP導入後にすべきこと3選
- まとめ
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CDPとは?
CDPとは、「Customer Data Platform」の略で、日本語でカスタマーデータプラットフォームと呼ばれています。一般的に、自社が蓄積する顧客データを正しく管理し、分析をするために用いられます。顧客データは1人1人の情報を管理でき、データの収集、統合、分析の3つの役割を持つことが特徴です。
現代において、データ分析の重要度は増加しており、その中でも顧客理解は欠かせないポイントの1つです。実際に活用する企業も増えており、マーケティング活動において重要となるプラットフォームとなっています。
CDPが必要とされている理由
マーケティングにおいて重要視されるデータ分析ですが、その中でも、なぜCDPは重要視されているのでしょうか?ここではCDPが世の中に必要とされる理由について解説します。
現在ユーザーが利用するデバイスは多様化しており、利用するブラウザ、アプリにおいても多くの種類のものが広まっています。そんな中、顧客データを1箇所にまとめて正しく管理するという行為が難しくなっているのが現状です。
多様化したデバイスからデータを取得した場合は、同じユーザーを複数のユーザーとして誤って認識することも少なくありません。そのため、散らばるデータを1つの箇所で管理し、顧客1人1人の行動を正しく分析し扱うために重要視されています。
CDP導入でできること3つを紹介
CDPを導入することで、具体的にどのような効果があるのでしょうか。CDPの大きな特徴といえる以下3つの機能を解説します。
- 顧客データの収集
- 顧客データの統合・一元管理
- 収集・統合下データをもとに分析
それぞれについて説明します。
CDP導入でできること①顧客データの収集
CDP導入で可能となる点の1つとして取り上げられるのが「顧客データの収集」です。
多くの情報を取り扱っていながらも、そのデータが手の届かないところに保管されていたら意味がありません。企業の多くは大量のデータを持っていますが、正しく収集できず有効活用できていないケースも多くあります。
CDP導入により、ユーザー属性や行動履歴、趣味嗜好など、顧客1人1人の細かい情報まで集めることが可能となります。
CDP導入でできること②顧客データの統合・一元管理
顧客データは収集するだけでは効果的な活用は難しいといえます。実際に企業においても、データを収集しているものの「様々なデータが複数箇所で管理されており扱いにくい」「各部署でデータを保管しており会社全体で共有できていない」という問題も少なくありません。
このような問題を解決するためにCDPの機能が役立ち、社内データを1つにまとめて管理することが可能となります。収集したデータを顧客1人1人と結びつけるため、より的確なニーズを把握でき、分析をするための基盤となるでしょう。
CDP導入でできること③収集・統合したデータをもとに分析
CDPには収集・統合したデータをもとに分析する機能もついています。ユーザー属性や行動履歴など、詳細な情報をデータを収集できているため、顧客1人1人にあった分析をすることが可能です。
ユーザー属性においては、性別や年齢、お住まいの地域などを把握しており、さらに行動履歴まで分析できることから、より的確なニーズを読み取ることができます。
・アップセルに効果的なユーザーは誰か
・リピーターとなりやすい顧客は誰か
・解約の可能性が高い顧客は誰か
といったマーケティング活動に重要となる様々な指標を知ることができるでしょう。
CDPの5つのメリットを解説
CDPを導入するメリットには以下5つの点があります。
- 顧客データの一元管理
- 顧客理解が深まる
- マーケティング業務の効率化
- One to oneコミュニケーション
- MAツールと連携可能
それぞれ解説します。
CDPメリット①顧客データの一元管理
CDP導入で可能となる1つの要素として紹介しましたが、顧客データを1箇所にまとめて管理できる点はメリットの1つです。現代においては、ユーザーが利用するwebサイト、デバイス、SNSは多様化しているため、それぞれで管理するのは、手間がかかるだけでなく精度も低くなるといえます。
例えば、本来同一人物である顧客を複数人として分析してしまったり、顧客のニーズを各チャネル上のデータでしか捉えられないという点も考えられます。一元管理をすることで、チャネルごとにデータを落とし込んでアップロードするといった手間も省くことができるでしょう。
CDPメリット②顧客理解が深まる
CDPの2つ目のメリットとして顧客理解が深まる点が挙げられます。
現代においては、ただ商品を購入してもらって終わりではなく、いかに商品を長く継続して利用してもらうかという点が重要です。LTV(顧客生涯価値)とも呼ばれ、これを高めるのに顧客理解は欠かせません。
CDPは、顧客1人1人の行動履歴や趣味嗜好など詳細なデータまで収集できるため、顧客を深く理解するのに役立ちます。
CDPメリット③マーケティング業務の効率化
CDP導入により、顧客が蓄積する膨大なデータを一元管理できるため、顧客データをより効率的に扱うことが可能となります。また、各チャネルごとでのデータ収集や管理する手間が省けるため、工数の削減もできるでしょう。
CDPによる顧客データや分析データを社内全体で共有できるため、本来活用できていなかった部署でもデータを有効活用でき、業務改善や新たな施策を効率的に実施できるようになります。
CDPメリット④One to oneコミュニケーション
CDPを導入することで、顧客1人1人に合わせた適切な施策を実施することが可能になります。
データをバラバラに保管し活用していれば、同じユーザーに対して同一のアプローチを繰り返したり、必要性を感じない情報を配信してしまうなど、非効率的なアプローチをしてしまうことも少なくありません。効果が出ないだけでなく、顧客を失ってしまう原因ともなります。
CDPでは、顧客1人1人のデータを細かに把握できるため、ユーザーのニーズを正しく理解し、適切なアプローチをすることが可能です。
CDPメリット⑤MAツールと連携可能
CDPはほかマーケティングツールとの連携ができる点もメリットとして挙げられます。MAツールだけでなく、BIツールやCRMなど様々なツールとの連携が可能です。
例えば、MAツールで管理していた顧客データを紐づけることで、顧客のより詳細なデータを把握することができ、効果的なアプローチへと繋がります。
ただし、社内独自のマーケティングを使っている場合など、ケースによっては連携できない可能性もあるため、導入前に確認する必要があります。
CDPの3つの注意点
CDPは上記で説明したように多くのメリットが存在しますが、導入するだけでは十分に効果を発揮できるとは言えません。具体的には以下の3つの点に注意して利用する必要があります。
CDP導入の目的を明確に持つ
まず1つ目に重要となるのは、CDPを導入する明確な目的を持つことです。CDPの主となる機能は、顧客1人1人に紐づいたデータの収集と、それをもとにした分析・施策の実行です。CDPの導入が上記機能に沿ったものであるかを確認しておくとよいでしょう。
「CDPを導入して具体的にどのようなデータを収集したいのか?」「どのようなアプローチや施策を実行したいのか?」より細かに決めておくことで、効果的な利用を図れます。
自社に適したCDP導入が難しい
現代において注目を浴びているCDPですが、市場においては様々な製品がリリースされています。似たような機能を持つツールも多いため、どのCDPが自社とマッチするのか迷う可能性も高いでしょう。
そのため、いきなりの導入はなるべく避け、目的の確認や運用体制の構築など周りの準備から始めていくことがおすすめです。目的の明確化や運用体制の見直しを事前に行うことで、導入失敗の可能性を下げられると考えられます。
専任人材の確保・フォローアップが必要
CDPは専門知識が必要とされるプラットフォームです。CDPの機能を正しく理解し、適切な施策を打っていくためには専任人材を確保する必要があります。特にデジタル人材が必要とされることが多く、ITに関する知識やノウハウ、経験を持つ人材の確保が重要です。
またCDP導入後には、専任人材1人に任せるのではなく社内全体での理解を目的とした研修なども必要となるでしょう。詳細な説明は必要なくとも、導入したまま有効活用できなかったという自体を避けるために研修が必要になると考えられます。
プライベートDMP、パブリックDMPの特徴とCDPとの違い
CDPと機能が似たツールとしてDMPがあります。DMPはData Manegement Platformの略で、顧客データを収集して分析します。似たような機能であることから混同されますが、CDPとDMPには「データの収集方法」に違いがあります。
CDPは自社で集めたデータの管理・分析を行いますが、DMPの場合は外部サイトの匿名データを利用します。DMPの中でもプライベートDMPとパブリックDMPに分けられるため、それぞれについて解説します。
プライベートDMP
まずは、DMPの中でもプライベートDMPについてです。プライベートDMPは、プライベートという言葉でもわかるように、閉鎖されたネットワークにおいて顧客データの収集・管理を行うものです。
自社内で行動履歴や属性といった顧客データを集めることから、CDPとほぼ同じ意味として利用されています。マーケティング活動で必要となる細かな情報を収集できるため、導入する企業が増えているツールの1つです。
パブリックDMP
パブリックDMPはプライベートDMPとは異なり、第三者の機関によって収集されたデータ(3rd Partyデータ)を取得できるプラットフォームです。例えば、IPアドレスやCookieなど、匿名情報で構成されたデータを取り扱うことが可能です。
個人のプライバシーを守り、特定できるデータは扱わないため、年齢や性別などの大まかな情報を集める際に有効となります。Chromeでは3rd Partyの廃止も考えられており、2024年にはCookieの段階的な廃止を開始するとされています。
そのためプライベートDMPの重要性が高まってくることが考えられるでしょう。
CDP導入後にすべきこと3選
最後にCDP導入後にすべきこと3選について解説します。導入後の動きをスムーズにし、より効果的なツールの利用をするためにも、あらかじめ押さえておきましょう。
データの収集・蓄積を行う
マーケティング活動における効果を発揮するために、データの収集は欠かせません。既存データと連携してCDPにデータを取り込む必要がありますが、やらなければならないことが複数あります。
・保有データの整理
・今後新たに集めるデータの確認
・取得データの活用先を確認
・データの形式や取り込み方法確認
個人情報を取り扱うため、プライバシーポリシーの確認が必要になる上、データを正しく取得するためのシステム設計も必要となります。
データを加工し利用できる状態にする
データを収集したら、利用できる状態まで加工する必要があります。データを収集しただけでは顧客情報が結びついておらず、データがバラバラに保管された状態です。顧客1人1人に情報を紐づけるためにも、IDやメールアドレスなど個人を判別できる情報を取得しましょう。
顧客データは今後継続的に入ってくるものです。データ数が増えるごとに顧客情報の精度も高くなるため、データの加工ルールを明確に決めておくことがCDP導入後に大切になります。
各種マーケティングツールと連携する
データ加工はあくまでも出発地点であることから、CDPの効果を発揮するには、各種マーケティングとの連携が重要となります。自社システムや広告配信ツール、MAの連携をそれぞれ進めていきましょう。
様々なツールと連携し分析をすることで、新たなマーケティング施策や顧客1人1人に合わせたアプローチを行えるようになります。
データの収集や加工、他ツールとの連携など、専門的な知識が必要とされる作業が多くあります。ITシステムやデータ解析を担当する専門人材が必要である点も押さえておきましょう。
まとめ
ここまでCDPについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか?CDPは、分散されたデータを収集・加工し、1箇所にまとめて管理するプラットフォームです。顧客1人1人に紐づいたデータを収集できるため、マーケティング活動において注目されているツールとも言えます。
マーケティングの最適化や業務の効率化、顧客満足度の工場など、多くのメリットが存在しますが、導入には専門知識を持つ人材が必要となり、一定のハードルがあるのも事実です。
導入においては複数の注意点もあるため、スムーズな導入をするためにも本記事を参考にしていただけると幸いです。