同梱物とは?基本的な意味やECサイト運営で重要な理由を解説

2023/09/22

EC通販のマーケティング施策の1つとして取り入れられる同梱物ですが、そもそも同梱物とは一体何なのか、実際にどのようなものがあるのか疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

同梱物を封入するには少なからずコストが発生するため、基礎知識を押さえたうえで、できるだけ効果の期待できるものにしなければなりません。

そこで本記事では、同梱物の基本的な意味から、ECサイト運営で重要になる理由について解説します。おすすめの同梱物についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

同梱物とは?

同梱物(どうこんぶつ)とは、通信販売で商品を届ける際に一緒に入れて送付する、印刷物や商品のことを指します。キャンペーン情報のチラシや新商品のサンプルなど、同梱物には様々な種類があります。

EC通販においてはマーケティング施策の1つとして位置づけられており、リピーター獲得や売上UPを目指す上で重要な要素です。

オンラインでのマーケティング施策には、Web広告やSEO、DM(ダイレクトメール)など多くの手法がありますが、同梱物は実際に物を送付してアプローチできるため、重要な施策の1つとして確立しています。

同梱物が重要視される理由

同梱物が重要視される理由よして以下のようなことが考えられます。

  • 会社や商品を印象付けする要素となる
  • 顧客のファン化に繋がる
  • 途中解約の軽減となる

商品と同封することで顧客が目にする機会が多く、会社の印象を高める施策として利用可能です。また、適切な同梱物を入れておくことによって、顧客満足度が高まりファンとなってくれる可能性も高まるでしょう。自社の商品を気に入ってもらうことで、途中解約率の低下にも役立ちます。

同梱物の3つの役割

同梱物の役割として以下3つがあります。

  • 顧客とのコミュニケーション
  • リピート顧客の増加
  • LTV(顧客生涯価値)の向上

それぞれ詳しく解説します。

顧客とのコミュニケーション

顧客とのコミュニケーション方法として、メールマガジンやLINE公式アカウントでの配信などが考えられますが、会社と顧客のコミュニケーションの場は、そう多くありません。

同梱物は、商品のこだわりや感謝の言葉など、普段伝えることのできない思いを届けるツールの1つとなります。ただし、同梱物の入れ過ぎは顧客に悪い印象を与える可能性があるため、あくまでもコミュニケーションの場であると理解しておきましょう。

リピート顧客の増加

同梱物で日頃の感謝や商品への思い、開発のストーリーなどを入れることによって、顧客とブランドを繋げるきっかけとなります。顧客と適切なコミュニケーションが取れた場合、商品への信頼度が高まり、リピート購入にも繋がるでしょう。

長期的な売上を伸ばすためにリピート顧客の存在は欠かせないため、有効的なマーケティング施策の1つとなります。

LTV(顧客生涯価値)の向上

LTVとは、日本語で「顧客生涯価値」と訳され、1人当たりの顧客から生涯にわたって得られる利益のことです。上記で説明したリピート顧客は、長期的な商品の購入が考えられるため、LTVの向上に直結します。

単に商品を受け取るだけでは、商品やブランドに対する価値を感じることは難しいため、同梱物などを利用して顧客に伝える必要があります。「またこの商品を買いたい」と思ってもらうことで、途中解約が減り長期的な利益へと繋がるでしょう。

同梱物を入れるメリット

同梱物を入れるメリットとして以下の3つが考えられます。

  • 顧客満足度の向上が図れる
  • ファンやリピーターを獲得できる
  • 顧客の声を収集できる

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

顧客満足度の向上を図れる

長期的に商品を愛用してもらうためには顧客満足度の向上は欠かせません。特に、商品への興味や期待が高まっている初回購入時のアプローチは特に重要となります。

送られてきたものが商品と納品書だけのときと、興味が惹かれる同梱物が入っていたときでは、会社や商品に対する印象は全く異なります。単に同梱物を送付するといっても、初回購入時に送るものが最も重要です。

ファンやリピーターを獲得できる

2つ目のメリットとしてファンやリピーターの獲得が挙げられます。同梱物による顧客満足度の向上で、ファンの獲得を促すことができるため、定期購入の案内をすることでリピーターへと繋げられるでしょう。

また、特典やキャンペーン情報を同梱することにより、企業への興味関心度を高める要因ともなります。

顧客の声を収集できる

3つ目のメリットとしては顧客の声を収集できる点があります。顧客の声はVoice of Customer、略してVOCと呼ばれることもあり、EC通販の売上を向上するには欠かせません。

商品の良い点や改善してほしい点を把握して問題点を知ることで、新しい施策の立案に役立ちます。同梱物としてアンケート用のはがきなどを入れておくとよいでしょう。

単にアンケートに回答してもらうだけでは反応率が低いと考えられるため、アンケートに答えた顧客にはプレゼントやポイント付与を行う手もあります。

同梱物を入れるデメリット

同梱物はマーケティング施策として重要な要素となりますが、以下のようなデメリットもあります。

  • コストの発生
  • 梱包作業の複雑化

同梱物で失敗しないために事前に押さえておく必要があるため、それぞれ詳しく見ていきましょう。

コストの発生

商品とは別にパンフレットやチラシを用意する必要があるため、新たなコストがかかってしまいします。同梱物により得られる利益を想定しないまま手の込んだ同梱物を制作すると、売上がマイナスになってしまう可能性も0ではありません。

同梱物に制作費を欠けすぎない点も重要ですが、どの程度の売上UPが見込めるのかあらかじめ予想しておくのが大事です、

また、同梱物を制作したのにも関わらず、在庫が余ってしまうことも考えられます。売上と合わせて販売個数も計算して、計画的に進める必要があります。

梱包作業の複雑化

同梱物を入れることにより梱包作業が複雑化し、人的コストの上昇やミスの発生に繋がります。顧客によって同梱物を変える場合は、特にミスが発生しやすいため注意が必要です。

顧客に興味関心のない同梱物を誤って送付してしまった場合、顧客満足度や会社に対する信頼度が落ちる可能性もあります。梱包作業を複雑化しないために同梱物をシンプルにしたり、梱包作業をアウトソーシング化してプロに任せるのも1つの手です。

同梱物をうまく活用するポイント

同梱物を活用してうまく売上向上に繋げるために、以下の4つのポイントを意識しておくのがおすすめです。

  • 状況によって同梱物を変える
  • 同梱物を入れすぎない
  • 物流周りの費用、品質のチェック
  • 実施施策の効果検証をおこなう

それぞれについて詳しく解説します。

状況によって同梱物を変える

顧客の状況に合わせた適切な同梱物を入れることが効果を最大限発揮するために重要なポイントです。新規顧客かリピーター、購入経路がオフラインかオンラインによっても、ぞれぞれ適切な同梱物は変わってくるでしょう。

また、顧客の立場だけでなく、自社の目的に沿った同梱物を入れることも重要です。顧客満足度の向上を図りたいのか、他商品の宣伝がしたいのかなど、同梱物に期待する役割を明確にしておく必要があります。

同梱物やチラシを入れすぎない

同梱物を入れすぎないのも、うまく活用するポイントです。企業が伝えたいことをすべて同梱物として梱包していると顧客満足度の低下に繋がりかねません。また、複数の同梱物を入れることで、顧客の目に留まる可能性が低くなることも考えられるでしょう。

コスト削減の点を考えても、同梱物の目的を明確化して適切な量を入れる必要があります。

物流周りの費用・品質のチェックをする

物流周りの費用・品質もおろそかにはできません。「梱包方法は思い通りになっているか」「無駄な工数がかかってコストが発生していないか」をチェックしておくことで、コストを押さえて狙い通りの効果を期待できます。

品質が落ちてしまうと顧客満足度の低下にも繋がりかねないため、売上向上を狙った施策が逆効果になることも考えられます。

実施施策の効果検証をおこなう

同梱物の送付を終えたら、狙っていた結果に対してどのような結果が現れたのか必ず確認する必要があります。取り扱う商品や顧客層によって得られる結果が様々であることから、自社で分析して改善を行う必要があります。

改善することなく同梱物を送付し続けると、コストだけが発生することもあり得るため注意が必要です。

おすすめの同梱物一覧

最後に、おすすめの同梱物について説明します。ここで紹介するのは以下の4つです。

  • 挨拶状
  • キャンペーン情報
  • クロスセル用の商品案内
  • アンケート

それぞれのメリットや効果について解説するので、適したものがあればぜひ利用を検討してみてください。

挨拶状

挨拶状は、紹介の商品購入時におすすめの同梱物です。心のこもった感謝状を添えて商品を送付することで、企業に対する印象が高まるだけでなく、顧客と企業の良好な関係築りにも役立つといえます。

手書きや手書き風の感謝状を送ることで、顧客の目に留まりやすく気持ちが伝わりやすくなるでしょう。

キャンペーン情報

キャンペーン情報はリピーターに対して送付することの多い同梱物です。お得な情報を伝えることで、売上が期待できるだけでなく顧客満足度の向上も狙えます。

複雑化した情報を送りすぎると顧客の行動に繋がりにくいため、わかりやすさを重視するとよいでしょう。キャンペーンの打ち過ぎは企業の負担になることも考えられるため、注意も必要です。

クロスセル用の商品案内

顧客が商品を購入した際は、クロスセル用の商品(関連商品)の案内に適切なタイミングです。送り過ぎはセールス色が強くなるため注意が必要ですが、顧客の興味関心をひける商品をアピールすることで売上の向上にも繋がります。

購入した商品と併用するメリットや関連商品のサンプルを同梱するのも1つの手です。

アンケート

同梱物のメリットとしても解説しましたが、顧客の声を集めるためのアンケートはがきを同梱するという手法もあります。商品の購入や満足度向上を促す上で、利用者からの口コミは重要になるため、新規顧客にアプローチするための材料となるでしょう。

商品の問題点を聞くことで、改善にも繋がるため、アンケートに答えてくれた方にはプレゼントを用意しておくのもおすすめです。

まとめ

同梱物は、通販で商品を届ける際に一緒に入れるチラシやパンフレットを指し、顧客満足度や売上の向上を期待できるマーケティング施策の1つです。

LTVの向上やファンの獲得など、多くのメリットがあるため、うまく活用してみるとよいでしょう。ただし、同梱物の効果を最大限発揮するためには、抑えるべきポイントや注意点も存在します。

無駄な労力やコストだけを発生し続けないためにも、本記事を参考にして取り組んでみてください。