「CRMってどんなシステムなの?」「CRM導入にメリットはあるの?」といった疑問を持つ方は多いかもしれません。CRMを利用することで、具体的にどのような効果があるのでしょうか。
CRMは顧客と良好なコミュニケーションをとる最適なツールです。導入するメリットがたくさんあり、CRMをうまく活用すると企業の発展に大きくつながります。近年、多くの企業から注目を集め、売り上げの貢献に期待されていることでしょう。
今回の記事ではCRMの導入事例や活用ポイントなどについて解説します。CRMが気になっている方や、これから取り入れようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
- CRMとは?
- CRMを導入して成功した企業の事例10選を紹介!
- CRMを効果的に活用する大事なポイントを6つ紹介!
- CRMを導入するメリット・デメリットについて
- SFAとCRMの違いは?
- まとめ
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CRMとは?
CRMとは、顧客の情報を管理するシステムのことをいいます。
国や世界中で似たようなサービスや商品が増え競争が激しくなる中で、勝ち抜いて生き残るためには顧客とのつながりが重要です。顧客が競合他社の製品ではなく自社のものを選択してくれるように、企業はサービスを常に変えていかなくてはなりません。
そのため、顧客の情報を集めて誰がどんな理由で自社の商品を購入しているのか把握する必要があります。顧客へのアプローチが適切であるのか確認する為には、すべてのデータの把握と分析が重要です。
CRMを導入して成功した企業の事例10選を紹介!
「CRMはより良いサービスを提供することに役立つ」とお伝えしましたが、実際に導入するとどんな効果が現れるのでしょうか。
CRMを実際に導入した企業の事例が参考になると思うので、ここでは成功した事例を8つ紹介します。
CRM成功事例①|CRMの効果を証明したパナソニック
家電販売の大手企業であるパナソニックはCRM導入後、社員から反発の声がありました。その理由として、「コストが高すぎ」「CRMが売上に関係してるか疑問」などが挙げられます。
しかし実際にCRMを取り入れたマーケティングの内容を分析してみると、企業へ直接問い合わせをしてくる顧客は愛着心が強く、信頼を寄せていることが明らかになりました。
CRM成功事例②|クーポン使用率が上昇したはなまる
うどん専門店として有名な株式会社はなまるは、キャンペーンの配信にメールマガジンを使用していました。
しかし、顧客とのコミュニケーションの取り方に疑問を感じて顧客の声を聞くことができるサイトを開設しました。
アンケートを通してコミュニケーションをとることで、メールマガジンよりもクーポンの利用率が高くなった点はCRMの活用の成功例といえるでしょう。
CRM成功事例③|売上が上がったピザハット
ピザ専門店として知られている日本ピザハット・コーポレーション株式会社は、メールマガジンでのマーケティングに限界を感じていました。
そこで、アプリでの顧客情報を確認するとアプリ経由での注文が多いことが判明しました。
施策としてピザハットは情報配信にアプリを活用すると、ピザの売上が増加しました。
CRM成功事例④|新規顧客を獲得した西武ライオンズ
野球球団を運営する株式会社西武ライオンズは、観客動員数の減少に悩まされていました。
そこで、新規顧客を獲得するべくCRMを導入。古参ファンの喜びの声を分析しながら、顧客に満足してもらうための戦略を考えました。
CRMをうまく活用し、短いスパンでPDCAサイクルを回した結果、多くの観客動員数を獲得できました。
CRM成功事例⑤|作業効率が飛躍したミズノ
スポーツ用品を販売するミズノ株式会社の以前のマーケティングは、社員が手動で対象となる顧客を絞り込んでメールを送るというものでした。
そこで、CRMを取り入れて配信メールを自動化した結果、作業効率が大幅にアップしマーケティングにかける時間が短縮しました。さらに社員の負担が軽減したことで、違う作業に時間を割くことができるようになりました。
シンプルな施策ですが、業務の効率化として効果的だったといえます。
CRM成功事例⑥|企業の課題を解決したソウルドアウト
ネットビジネスを展開するソウルドアウト株式会社は、「営業における社員の負担が大きい」「営業の効率を上げたい」という課題に悩まされていました。
課題解決に向けてCRMを導入し、新規顧客を獲得することを目的にPDCAを繰り返しました。その結果、新規顧客を得ることだけでなく社会の仕事に対するモチベーションも向上しました。
CRM成功事例⑦|接客の質を高めたノース・モール
アパレルや雑貨を通信販売するノース・モース株式会社は、顧客情報の管理がバラバラで、「問い合わせへの対応の質に違いがあること」が問題視されていました。
リピーターの獲得や売上を伸ばすという目的でCRMを導入し、情報を一括管理すると、どんな質問に対しても適切な回答ができるようになり、顧客対応に時間や手間もかからなくなりました。
CRM成功事例⑧|情報伝達ミスをなくしたレバレジーズ
人材関係のビジネスを展開するレバレジーズ株式会社は、会社全体で顧客情報を共有しておらず、社員1人1人のサービスについての認識にバラつきがありました。また、事業部間で情報の伝達ミスが起こるなどの解決すべき課題が多々ありました。
しかしCRMを導入することで、すべての事業部で顧客情報を共有し一括管理することができるようになりました。
結果として、顧客とより良いコミュニケーションを取ることが可能になりました。
CRM成功事例⑨|見込み顧客が2倍になったエヌ・ティ・ティピー・シーコミュニケーションズ
ネットワークサービスとホスティングサービスを提供する株式会社エヌ・ティ・ティピー・シーコミュニケーションズでは、部署ごとに顧客情報の管理が十分に行えておらず、既存顧客の行動データが蓄積されていませんでした。
この現状に現場の職員が疑問を感じている中、業務の効率化を目的にCRMツールでの顧客情報のデータ化に着手。
約1年間継続し、顧客の流入経路と行動データの可視化に成功しました。
その結果、顧客ロイヤルティの高い層への集客と新規顧客獲得といった成果を挙げることに成功しました。
さらに、このような成果を社内で定期的に公開したことで他部署からの相談が増加し、CRMツールの浸透にも成功しました。
CRM成功事例⑩|集客の最適化をはかったロクシタンジャポン
化粧品サービスを提供するロクシタンジャポンは、顧客接点の多様化に伴いECサイトと実店舗の顧客データを一元化したマーケティング施策を行いました。
その情報を分析した結果、ECサイトか実店舗のどちらかしか利用していない顧客よりもその両方を利用している「オムニチャネル顧客」の方が、2倍以上購入頻度が高い傾向にあることが判明しました。
この結果に対してロクシタンは売り上げの評価が別々だった現状から、ECサイトの売り上げも実店舗に反映させるシステムに改善しました。
そして、顧客の属性に対して適切なタイミングでアプローチをかけ続けた結果、購入頻度の高いオムニチャネル顧客の割合が2~3割増加し売り上げアップに繋がりました。
CRMを効果的に活用する大事なポイントを6つ紹介!
CRMを導入するだけでは効果が現れません。売り上げにつなげるためには、基礎情報をきちんと理解し、CRMをうまく活用する方法を学ぶべきです。
ここでは、効果的に活用するポイントを3つ解説します。
①導入する目的や企業の課題を明確にする
導入する前は、目的や解決したい課題を明確にしましょう。
「どうしてCRMを利用するのか」「何のために情報を管理するのか」を考えると、自然とやるべきことが見つかります。
目標に向かってPDCAを繰り返すことで、自社がアプローチするべき顧客を把握でき、企業の発展につながるでしょう。
②必要な情報を自由に取り出せるように管理する
蓄積した顧客情報は迅速な対応を行う為にすぐに取り出せるようにしましょう。
お問い合わせなどの対応で顧客ごとに必要な情報をすぐに照会することができれば、素早く適切な対応を行うことができます。
これにより顧客満足度が向上し、顧客と良好な関係性を構築することが可能となります。
③顧客の1人1人に対して、コミュニケーションを工夫する
CRMで情報を集めるだけでなく、顧客とのコミュニケーションも大事にしましょう。
収集したデータを参考に、顧客へ適切な対応をすることで満足度を高め、親密な関係を築くことができます。
さらに、迅速でスムーズに対応することで、顧客からの信頼を獲得できるはずです。
1人1人に対して最適な対応を心がけ、根強いファンや新規顧客の獲得を目指しましょう。
④社内に浸透させるための準備をする
CRMツールの導入は浸透するまでに時間がかかります。
導入したばかりの期間は現場で働いている社員の作業量が増えてしまう為、社内で不満もたまり易く反発されることがあるからです。
この問題に対して適切な準備と対処を行わないと、社内にCRMツールが浸透しない可能性があります。
導入前にCRMツールを導入することの目的とメリットを説明し、社員達に利益に繋がるものであると理解してもらう必要があります。
通常の業務と並行して実施するため、業務スケジュールも無理なく作業できるように調整することも重要です。
最初は一部門から導入して操作に慣れていない社員へのトライアル期間を設けるとともに、実践データから反省と改善を繰り返すことで体制を整えることができます。
社内全体で取り組むため、社員への理解を得ることはとても重要です。
⑤自社に適したCRMを導入する
自社の特徴と役割がマッチするCRMを選択しましょう。
自社に足りないものを浮き彫りにし、欠点を補うCRMの導入であると良いです。
たとえば、顧客情報を集めている企業は、膨大なデータを一括で管理する訳ですから情報の取り扱いに困ります。
人の手では管理に限界があるため、CRMのシステムを活用し、効率を上げましょう。
⑥成果を望めるところから導入する
導入したばかりの状態では練度も低くノウハウが蓄積されていないため、新規顧客よりも既存顧客を対象にCRMツールを導入することをおすすめします。
CRMツールが定着して効果を発揮するまで一定期間を必要とします。
まずは、比較的ハードルの低い既存顧客を対象にして実践経験を積みましょう。
既存顧客との関係性を良好にする為にCRMツールを活用し、顧客ロイヤルティの向上をはかることを目標にすることをおすすめします。
このような実践経験からフィードバックを繰り返すことで徐々にツールが定着し、体制も整ってきます。
最初は無理せず、できるところから始めましょう。
CRMを導入するメリット・デメリットについて
CRMの導入には多くのメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。ここでは、CRMを導入するメリットとデメリットについて解説します。
メリット
顧客情報を管理できることがCRMにとって1番のメリットになります。「性別・年齢・職業」といった情報を集め、分析することで、自社のサービス改善や1人1人に適切なアプローチが可能です。
常に新しい情報やデータが求められる現代において、鮮度の高い情報は必要不可欠ですが、CRMで収集し管理できることは大きなメリットの1つです。他にも、「商談率や売り上げの向上」「アプローチの仕方を効率化できる」「顧客の満足度が向上」といったメリットがあります。
デメリット
CRM導入には、「 初期費用や維持費のコストがかかる」「すぐに結果が現れるというわけではない」「社内で浸透しない場合がある」といったデメリットがあります。
CRM導入前にかかるコストを把握したり、費用を支払える資金力があるか社内で検討したりする必要があります。
「競合に勝つためには必ず導入しなければならない」という訳ではありません。あくまで戦略の1つであり企業によって合う合わないはあるため、無理してCRMを利用するのは避けましょう。
SFAとCRMの違いは?
2つとも顧客情報を管理するシステムですが、最終ゴールは異なります。
SFAとは、サービスや商品を売るために、営業の効率化と質を向上させるものです。過去や進行中の案件を参考に、社内の仕組みを効率化します。
一方、CRMツールは顧客のことを第一に考えてサービスや商品の向上を目指すものです。顧客を満足させて良好な関係を構築し、その結果競合に勝つことを目的としています。
まとめると、SFAは「効率的にサービス・商品売る」という目的のために、CRMは「根強いファンの獲得」という目的のために利用します。
上記2つのシステムは、用途や目的を決めずに利用すると失敗する可能性が高いため注意しましょう。
まとめ
今回の記事では、CRMの導入事例や活用ポイントなどについて解説しました。
CRMについて、多くの知識が身に付いたのではないでしょうか。
以下にポイントをまとめました。
- CRMとは、リアルタイムで顧客の情報を管理できる優れたシステム
- 成功した導入事例も多数あり、注目を集めている
- 「アプローチの仕方を効率化できる」「顧客満足度の向上に効果的」などのメリットが多数ある
今後、CRMを活用した取り組みが増えてくることでしょう。
顧客情報を一括管理できるCRMは、競合他社との争いに勝つためには必要不可欠なシステムかもしれません。
多くの企業から注目を集めるCRMをぜひ導入してみてはいかがでしょうか。