単品通販って何?メリットや総合通販との違いを徹底解説

2024/03/31

単品通販と聞いて、頭にパッと思い浮かぶものはありますでしょうか?近年では、Amazonや楽天といった大手のEC通販サイトが認知を広めて拡大しており、日本全体のEC売上が大きく飛躍しています。

その中で、市場規模を徐々に大きくしているビジネスモデルが存在します。それが、「単品通販」と呼ばれる通販手法です。

単品通販とは、その名の通り、商材やブランドを1つだけ扱うというものなのですが、具体的にどんな特徴を持っているのか?数多くの商品をそろえる総合通販との違いやメリット・デメリット、単品通販のビジネスモデルについて徹底的に解説していきます。

また、記事の最後では、単品通販で売上を伸ばすために施策についても説明していきますので、最後までご覧ください。

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単品通販とは?

先ほどお伝えしましたが、単品通販とは、1種類の商品、もしくは1つのブランドの商品のみを取り扱うECサイトのことを指します。

単品通販というと、1つの商品のみを販売しているというイメージを持ってしまいますが、1つのブランドで、同じような指向性の商品を複数扱っている場合も、単品通販となります。

例えば、1つのブランドの化粧水、乳液、美容液を取り扱っている場合は、単品通販としてみなされます。ですが、1つのブランドであっても、化粧品や美容機器、健康食品など幅広い商品を取り扱っている場合は、単品通販という枠から除外されてしまうのです。

このように、単品通販というものを定義付けして分けているのには理由があり、単品通販を行う際に、特有のマーケティング施策をとる必要があるからです。

単品通販と総合通販の違い

単品通販とよく比較されるビジネスモデルの中に、総合通販というものが存在します。単品通販と総合通販には一体どんな違いがあるのでしょうか?それぞれの違いを大きく3つに分けましたので、詳しく解説していきます。

商品数と収益率

単品通販では、1つの商品やブランドを取り扱っているため、商品数が少なくなるのは必然です。それに比べ、総合通販は、商品数が多いのが特徴になります。ターゲット層も広くなっており、多くの人にアプローチすることで、豊富な商品の中から商品を選んでもらうことができます。

また、収益率という面でも違いを見ることができます。単品通販は1つの商品やブランドを取り扱うため、リピート顧客やサブスク購入してくれる顧客をターゲットとしているのが特徴です。そのため、2回目以降の収益はストック型となり、高い収益率を保つことができるのです。

それに対し、総合通販は、数多くの商品を揃えていますが、その分ライバルも多いのが現状です。そのため、薄利多売の商売になることが大半で、収益率が少なくなってしまいます。

リピート率

先ほど、「単品通販はリピート顧客をターゲットにしている」とお伝えしました。そのことにより、単品通販はリピート率が高い状態で保っています。

では、なぜリピート顧客をターゲットにしているのでしょうか?それは、1つの商品やブランドのみを扱う単品通販にとって、リピーター顧客を増やすこと。つまり、顧客維持をすることがビジネスモデルを成り立たせる上で、重要な指標の1つになるからです。

逆に、総合通販の場合は、「その通販サイトで商品を購入したい!」という理由付けに苦労することが多いです。というのも、ほかサイトで同じ商品が販売されている場合、価格勝負になってしまいます。定期的なキャンペーンやポイントなどを付与することで、リピーター作りをしていますが、2回目以降、そのサイトで商品を購入する理由を作りづらいことがリピーター低下の原因となっています。

集客方法

単品通販は、販売する商品を1つのジャンルやブランドに絞り、狙ったターゲット層に商品を購入してもらうことを目的にしています。そのため、幅広い層にECサイトを認知してもらう必要性はありません。そこで、狙った層だけに訴求できるような施策を打っていくことが多くなっています。

例えば、メルマガ配信やお友達紹介制度、1つの商品をピンポイントに紹介したLPの作成など。最短距離でダイレクトに訴求することが多いです。

それに対し、総合通販は、多くの商品を取り扱っているため、幅広い層に自社のECサイトを認知してもらうことが必要です。まずはサイトを知ってもらうために、広告やSEOなどを用いて、多くのユーザーを呼び込む施策を打つ必要があります。

単品通販のメリット・デメリット

ここまで単品通販の特徴を取り扱ってきましたが、単品通販にはメリットとデメリットが存在します。「これから単品通販を始めたい!」という事業者さんにとって、どちらも欠かせない要素になりますので、ご紹介していきます。

単品通販のメリット

単品通販のメリットは3つあります。

・初期コストを抑えることができる
・自社のブランドを確立しやすい
・収益の予想が立てやすい

単品通販は、取り扱う商品がターゲット層に合わせて絞られているため、初期投資額が低い傾向にあり、参入障壁が低いということがメリットです。また、総合通販のように、様々な商品と比較され、価格競争に巻き込まれることが少ないため、自社の思いやアピールしたいブランド像を崩すことなく伝えることが可能となります。

さらに、単品通販はリピート顧客やサブスク顧客をメインとしているため、収益の予想が立てやすいというメリットも存在します。

単品通販のデメリット

単品通販には2つのデメリットが存在します。

・商品が売れなかった際のリスクが高い
・アプローチできる顧客が限られてしまう

単品通販は、リピート顧客やサブスク顧客が増加することで高い売上を期待することができます。しかし、商品が全く売れない場合、限られた商品しか取り扱っていないために、売上が伸びなくなってしまうケースも少なくありません。

また、単品通販はターゲットを絞っていることが特徴ですが、これによる起こるデメリットも存在します。ターゲットを絞ることによって、反響を期待することができますが、ターゲット層を間違ってしまうと、認知度が低迷する可能性があるのです。

ターゲット層が限られているからこそ、効果的なマーケティングやプロモーションを実施していく必要性があります。

単品通販のビジネスモデル

次に考えていきたいのが、単品通販のビジネスモデルに関してです。単品通販は、リピート顧客やサブスク顧客を作っていくことが重要とお伝えしましたが、そのハードルは高いというのが現実です。

だからこそ、自社の商品やターゲット層に合わせたビジネスモデルを選ぶことが大切になってきます。ここからは、単品通販における3つのビジネスモデルについて、ご紹介していきます、

定期購入

定期購入は、単品通販においてよく使わてれているビジネスモデルです。定期購入は、販売者側のメリットだけでなく、注文に要する時間を省くことができ、注文忘れを防ぐことができるという、ユーザー側のメリットもあります。

また、販売者側のメリットとして挙げられるのは、ユーザーが、定期購入を始めることで、他社商品への乗り換えが少なくなるということです。そのため、安定で継続的な売上を出すために、魅力的なビジネスモデルと言えます。

しかし、定期購入もメリットだけではありません。ユーザーにとって定期購入の契約をすることは、ハードルの高いものになってしまいます。ですから、初回お試しを行うなど、定期購入をしてもらうまでの、導線づくりを練っていく必要があります。

アップセル

アップセルとは、一度商品を購入していただいた顧客に対し、よりグレードが高い商品や価格の高い商品の購入を提案するビジネスモデルになります。すでに購入していただいた商品に関連する商品を提案するのが一般的です。

また、一度商品を購入して満足していただいている方に訴求することで、アップセルの成約率が高くなることが特徴です。一度商品を購入することで、財布のひもが緩くなっていることも、成約率が高くなる理由として考えられます。

ここで、アップセルする商品の例として1つ挙げておきます。もし、あなたが化粧品を取り扱っている場合、さらに高価な成分が含まれている化粧水や、増量している商品を販売することが一般的となっています。

必ず、値段が高い商品を取り扱う必要はありませんが、比較的高い値段になっていても、購入して頂けやすいのが、このアップセルです。

クロスセル

クロスセルとは、顧客が商品を購入する際に、別の商品やサービスの購入を提案するビジネスモデルです。コンビニで商品を購入した際に、「揚げ物もご一緒にいかがですか?」と提案される場合も、クロスセルの1つと言えます。

クロスセルによる提案が成功することで、顧客の満足度はさらに高くなります。また、良い商品をおすすめしてくれたと感動することで、顧客からの信頼を勝ち取ることもできます。

クロスセルを行う際は、ECサイトに備わっているレコメンド機能やメルマガを使っておすすめ商品を紹介するといった手法があります。また、商品を配送する際に、一緒に関連する商品のサンプルを同封している会社も存在します。サンプルで商品を試してもらうことで、関連商品の購入を促すのです。

単品通販を始めるための4ステップ

では、ここからは、実際に単品通販を始める時にステップについて解説していきます。あらかじめ単品通販を始めるステップを理解しておくことで、スムーズに参入できるようになりますので、一緒に確認していきましょう。

①売りたい商品を決める

単品通販を始める際に、まずやるべきことが「売りたい商品を決める」ということです。単品通販は、リピート顧客やサブスク顧客の獲得が重要になりますので、何度も購入する必要がある消耗品の中から選択することが大切です。

良く取り扱われている商品としては、化粧品やサプリメントと言った健康食品などが挙げられます。化粧品やサプリメントといったように、一度気に入れば別の商品に切り替えることが少なく、商品が切れた際に、すぐに買いなおすような商品を選ぶことがポイントです。

すぐに買いなおす商品を選ぶことによって、定期購入のおすすめも実施しやすくなります。

➁LPや集客用サイトを作成する

単品通販において、自社サイトに誘導するために、良質なLP(ランディングページ)や集客用サイトを設置することがポイントになります。

LPは、商品を初めて知るきっかけとなるため、会社の顔になるといっても過言ではありません。そのため、LPや集客用サイトを設置するときは、次の2点を抑えておきましょう。

1つ目が、訴求するポイントを絞るということ。そして、2つ目が、ページから直接商品を購入できるようにすることです。

サイトを訪れたお客さんを、いかに離脱させないかがカギとなります。そのため、理解できない言葉が多く並べたり、長文過ぎる、購入方法が分かりずらいといった、ストレスを与えないことが大切です。

③各種ツールやシステムの設定

分析ツールや決済ツールといった、システムの導入や設定を行っていきましょう。単品通販を行う上で、商品が認知されているのか?どのような年齢層に刺さっているのか?ボタンのクリック数はいくらかを測定して改善していくことが重要になって来ます。

また、「購入することを決めたのにお支払いができない」ということは、致命的な欠点になります。一度購入を決意したお客さんが離脱する原因にもなりますので、事前にテストを行って確認しておきましょう。

現金支払いだけでなく、クレジットカード支払いにも対応させておくことで、購入の際の離脱を減らすこともできます。

④広告の種類や代理店の検討

最後にやるべきことが、広告配信のプラットフォームや代理店の検討です。Amazonや楽天などの大手企業のように、知名度があるのであれば、問題はありませんが、最初から認知を獲得していることは多くありません。

そこで、まずは商品を知ってもらうために、広告・宣伝費に投資する必要があります。この広告・宣伝は、単品通販において、よく利用されているマーケティング手法です。商品や自社サイトを知ってもらえなければ、アップセルやクロスセルどころか、最初の商品の購入にも至りません。

「リスティング広告」など、webの広告をメインに検討していきましょう。

単品通販の売上を伸ばす5つの施策

単品通販に限らず、ビジネスを行う上で「売上を伸ばす」というのは欠かせない要素です。そこで、ここからは、単品通販の売上を伸ばすためにどういった施策をとると良いのか?という点に絞って、5つご紹介していきます。

ターゲットを絞ったアプローチ

ターゲットを絞ることができなければ、総合通販との差別化ができないだけでなく、良質な商品であっても、売上が伸びずに苦戦することが考えられます。限られた商品で、確実に売上を伸ばしていくためには、ターゲットを絞って明確にしていくことが最重要です。

少ない広告・宣伝費で売上を伸ばすためにも、「どんなお客さんに自社の商品を知ってもらいたいのか?」「ターゲットにしているユーザーはどういった経路で商品を認知しやすいか?」など、多くの目線を持って、ターゲットにアプローチしていきましょう。

ツーステップマーケティングを行う

単品通販を行うにあたり、ツーステップマーケティングを実施することが効果的です。ツーステップマーケティングとは、いきなり本商品であるサブスク制の定期購入などをオファーするのではなく、まずは無料サンプルやお試し商品などを用い、無料モニターを募って見込み客を獲得する施策です。

サブスク制の商品の購入はハードルが高いため、無料サンプルなどを用いることにより、入り口のハードルを下げることができます。実際に100億円以上の売上を出している企業は、このツーステップマーケティングを活用していることがほとんどです。

分析ツールを用いて効果改善

1回の挑戦で成功するに越したことはありませんが、そう簡単にうまく行くものではありません。商品を販売をしていく上で、考えるべきポイントは多くあるはずです。

例えば、広告やLP、ボタンのクリック数や購入率といったものです。これらが、どのくらいの効果を発揮したのかを測定し、改善を常に実施していくことが売上を伸ばすために重要になります。

膨大なデータを蓄積し、効果の測定や改善を行っていくためには、手動では限界があります。確実に売上を伸ばしていくためにも、分析ツールを利用することをおすすめします。

満足できる商品を開発する

継続的な購入につなげるために、満足できる商品の開発は欠かせません。1度目の商品の購入があったのに、2回目以降の購入に繋がらない場合は、何かしら商品に問題がないか疑ってみましょう。特に、商品の質、価格、信頼性などを見直すことが重要になります。

また、商品の見直す場合は、実際に商品を購入してくれたお客さんに対し、アンケートを実施することも効果的です。定期購入に繋がらない場合は、分析を行い、確実に改善を行いましょう。

認知を増やす取り組みを行う

単品通販では、いかに認知を増やすかが重要です。認知が無ければ、新規顧客が獲得できないだけでなく、分析や改善を行うこともできません。

広告においては、リスティング広告が主流となっていますが、最近ではSNS広告やインフルエンサーマーケティングを積極的に活用する企業も増えています。

ユーチューバーやインフルエンサーの方の拡散力や人気を活用して、広告や宣伝を行うのがインフルエンサーマーケティングですが、購買行動に対して大きな影響があるため、注目されている手法でもあります。

単品通販の売上高ランキング

どのような企業が単品通販の売上を伸ばしているのでしょうか?

ここでは、健康食品業界における単品通販の売上高ランキングをご紹介します。

順位 社名 2020年度売上実績 主力商品
1位 サントリーウエルネス 95,825百万円 セサミン
2位 世田谷自然食品 26,700百万円 グルコサミン、青汁
3位 富山常備薬グループ 21,000百万円 第3医薬品(フルスルチアミン、L-システイン)
4位 山田養蜂場 19,773百万円 ローヤルゼリー
5位 ファンケル 19,758百万円 ビタミン、ミネラル

※通販新聞社「20年度健康食品通販売上高ランキング」参考

まとめ

ここまで単品通販について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?単品通販は、総合通販とよく比較されることがありますが、総合通販にはない強みを持っています。

取り扱う商品が少なく、ターゲットを絞っているため初期コストが低く、新規参入しやすいというのも、その強みの1つです。

また、単品通販で売上を伸ばすためには、ビジネスモデルを理解し、確実に分析と改善を行っていく必要があります。今回の記事で解説した、売上を伸ばすために施策も参考にしていただければ幸いです。

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