顧客管理をクラウドで行う利便性と重要性、おすすめツール9選を紹介

2023/11/15

近年、顧客のニーズの多様化や市場の変化に対して顧客管理の重要性が高まっています。

今まで良しとされた多くの人達に自社商品を宣伝する方法ではなく、顧客のニーズに合わせた販促を促す事が企業戦略として重視されるようになりました。

その中でもCRMツールを使用したクラウドでの顧客管理に注目が集まっています。

しかし、CRMツールを聞いた事はあるけど内容はよくわからないという方もまだまだ多いのではないでしょうか。

ここではCRMの概要とその役割を解説し、おすすめCRMツール9選を紹介します。

CRMへの理解を深めツールの導入を検討する際の参考になれば幸いです。

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CRMとは

CRMは「Customer Relationship Management(カスタマーリレーションシップマネジメント)」の略称で顧客管理システムとも呼ばれています。

企業と顧客との良好な関係性を構築する事を目的にした管理システムの事です。

いわゆる顧客名簿のようなもので、取引をした顧客の個人情報や取引の詳細を記録し「あのお客様はこういった商品が好きだったな」とお客様個人に向けて適切な商品をおすすめする時に役立ちます。

こういった顧客とのコミュニケーションで良好な関係性を築き「またこのお店を利用したい」と思ってもらえる事で継続的な収益をもたらすことができます。

このような考え方をLTV「 Life Time Value(ライフタイムバリュー)」と言い、CRMはこのLTVを向上させる事でより大きな収益を生み出すために使われています。

ちなみにLTVは顧客生涯価値といい、顧客との取引で生涯生み出される収益の予測の事です。

なぜCRMが必要といわれているのか

市場の変化により新規顧客の獲得よりも既存顧客の維持が重要視されるようになった

CRMが必要と言われるようになった原因は現代の市場が変化したからです。

今までは顧客が他社に流れたとしても他社の製品・サービスに対してより高品質または低価格な物を提供すれば顧客を取り戻すことが可能でした。

しかし、現代の顧客は商品の品質だけでなく付随される付加価値にも注目するようになり商品単体での差別化は難しくなりました。

それにより新規顧客の獲得は依然と比べて難易度が上がり、コストもかかるようになっています。

新規顧客の獲得にかかるコストは既存顧客の維持と比較すると約5倍近くになるといわれています。

さらに「パレードの法則」という経験則によると企業の売り上げの80%は上位顧客20%によるものともいわれています。

これらの理由により新規顧客の獲得よりも如何に既存顧客と良好な関係を築き継続して商品・サービスを利用してもらうかが重要となりました。

多対一の営業が中心となり業務の効率化が必要になった

現在はネット上の取引や営業活動が増え担当者1人に対して複数人の営業を担うようになりました。

これにより顧客情報の管理やスケジュール等の業務が膨大となり担当者引継ぎによる伝達ミスや顧客への対応が遅れる事により他社へ顧客が流れてしまうといった問題が発生しました。

この問題を解決する為には顧客管理をデータ化して共有できるようにしチームで対応する事で効率的に業務を行うといった対策が必要です。

その為に業務の手順を省きチームでの対応が可能となるCRMツールが重要といわれるようになりました。

戦略的なマーケティング活動が重要視された

既存顧客の維持のねらいは顧客が自社の商品・サービスに愛着を持ってもらい、顧客ロイヤリティを向上させる事で継続的な収益を上げる事です。

つまり顧客に自社商品・サービスのファンになってもらいお得意様を作る必要があります。

その為には顧客の基本情報や購入履歴、問い合わせ等から顧客のニーズを把握する必要があります。

その為には顧客分析を行いニーズに応える為に必要な課題や自社の改善点を明確にし具体的な経営戦略を練る事が重要となりました。

CRMでできる事は何か

CRMが重要視される理由は理解できました。

では、CRMツールを使えば具体的に何ができるのでしょうか。

CRMの基本機能

主に顧客管理として使用されるCRMツールにはどんな機能があるのでしょうか。

CRMツールの基本機能について解説します。

顧客情報の管理/検索/分析

最も基本的な役割といえるものです。

顧客の氏名・年齢・性別・住所といった基本情報や購入履歴、購入頻度、問い合わせ内容といった情報をデータ化し一元化させる事ができます。

これによりいつでも必要な時に欲しい情報を取り出すことができます。

蓄積された顧客情報を元に分析を行いどのような顧客層で、どのような商品が、どのようなタイミングで売れているのかを調べ適切なタイミングで顧客へアプローチを行う事が可能となります。

顧客情報の共有/編集

一元化された情報をチームで共有・編集することができます。

これにより営業部門だけでなく多方面からのアプローチを行う事ができるようになり社員1人に業務が集中することなく効率的に課題を処理できます。

様々なデバイスからのアクセスが可能で場所を選ばずに情報を引き出す事ができます。

メール配信機能

メールを自動で配信する事ができます。

顧客ごとにカテゴリーを分けて一括送信する事で狙いを定めて販促を行うと共に自動化する事で業務の効率化を図れます。

さらにメールの開封率を調べる事ができるので開封されやすい時間帯にメールを送ったり顧客の興味のある内容を調べたりする事も可能です。

問い合わせ機能

問い合わせフォームを設置する事ができます。

問い合わせ内容の管理と対応状況も調べる事ができ、対応漏れや二重対応を防ぐことが可能です。

よくある問い合わせには自動送信メールやFAQを設定する事で対応にかかる手順を省略できます。

蓄積された問い合わせ内容を分析する事も可能です。

名刺管理機能

社内にある名刺をデータ化し一括管理できます。

人脈を可視化して見込み客の把握を行い、管理にかかる手間を省けます。

アンケート実施機能

アンケートフォームの作成と結果を集計・分析する事ができます。

顧客の声を直接聞く事ができるので自社のサービス改善に役立てる事が可能です。

さらにアンケート結果から得た顧客情報を元にターゲティングリストというサイトを訪問したユーザーのリストを作成できます。

この情報から広告の対象・非対象となる顧客を抽出する事も可能です。

イベント/セミナー実施機能

セミナー/イベントの申し込みフォームを簡単に作成できます。

参加者リストも作成できるため企画・運用での効率化を図れます。

CRMとSFAの違い

CRMについて調べているとよくSFAというワードも目にします。

同じような内容で扱われているSFAとは何でしょうか。

CRMとSFAの違いを解説します。

SFAとは「Sales Force Automation(セールスフォースオートメーション)」の略称で営業支援システムとも呼ばれています。

主な役割は1つの商談が開始してから終了するまでの過程において進捗状況を可視化し情報管理を行う事で必要な業務を自動化しサポートするものです。

情報を管理し業務の効率化を図るといった側面ではCRMと共通していますが、1つの商談が終了した後も継続して関係性を構築していくCRMと違いSFAは見込み顧客との商談を成立させて顧客にするという点に重点が置かれています。

イメージとしてはSFAで商談を成約させて見込み顧客を顧客に変えた後にCRMツールを活用し既存顧客の維持に努めるというアプローチ段階の違いで区別されます。

CRMツールのメリット/デメリット

CRMツールの機能を紹介し様々な場面で効率よく業務を遂行できると魅力に感じてきたかと思います。

しかし、CRMツールも万能ではなくあくまでも1つのツールに過ぎません。

ここではCRMツールのメリット・デメリットを解説します。

CRMツールのメリット

顧客管理を一元化できる

顧客データを一元化し共有する事ができる為最新の情報を簡単に把握する事ができます。

急な担当変更が生じた際も引き継ぎをスムーズに行う事ができ、伝達漏れのリスクも抑えられます。

マーケティング戦略をピンポイントに行える

顧客情報から年齢、性別、購入履歴、購入頻度等を分析し顧客一人一人のニーズを把握する事ができます。

従来の幅広い層へ大々的に広告を出すといったコストのかかるものではなく、様々な顧客のニーズに合わせて戦略をとることができます。

顧客と良好な関係性を作ることができる

顧客のニーズに合わせて適切なタイミングでアプローチを行うことで顧客満足度を向上させる事ができます。

信頼関係を築く事でリピーターに繋がれば継続的な収益を得る事ができます。

場所を選ばず使用できる。

クラウド型のCRMツールであれば様々なデバイスからアクセスできるため業務をする際場所に制限なく使用できます。

導入コストを抑えられる

クラウド型であれば自社でサーバーを管理する必要がないため導入する際にかかるコストを削減できます。

CRMツールのデメリット

すぐに結果がでない。

CRMツールは顧客情報を分析しマーケティング戦略等の改善施策をプランニングする事で売り上げを出していくやり方です。

その為にはデータを蓄積しトライ&エラーを繰り返しながら改善していく必要があります。

よって数か月単位の期間で取り組む事になるので即時的な結果は期待できません。

準備にも時間がかかる

CRMツールを導入するにも社内で専門のチームを編成し一部門から少しずつ浸透させていく必要があります。

社内の教育やデータ入力の工程を計画的に練る必要があるため導入しようとしても実践するまでにはそれなりの期間を要します。

CRMツールを選ぶ際のポイント

いよいよCRMツールを導入しようと考えたとします。

その時にせっかく導入したのに上手く扱えず結局誰も使わなくなったという可能性を避ける為にCRMツールを選ぶ際のポイントを解説します。

クラウドとオンプレミスの違い

CRMツールには自社内にサーバを持たないクラウド型とサーバーを自社内に持つオンプレミス型があります。

クラウド型はオンプレミス型より費用を安く抑える事ができますが従量課金制のサービスが多い為アカウント数が増えるとその分コストがかかる場合があります。

規模によっては安易にクラウド型を導入すると却ってオンプレミス型よりもコストがかかってしまう可能性があります。

パソコン以外でも使用するか

社内での使用を前提としているか外出した際でも使用するかという違いがあります。

スマホやタブレットからでも使用する場合、営業先で情報を更新できるため情報の鮮度は上がります。

しかし、デバイスを紛失した時はセキュリティ上問題となるため適切なリスク管理を行う為にも使う場所の検討が必要です。

導入目的は明確にする

何となく良さそうだからという理由で導入するのは危険です。

目的は具体的にしてから導入しないと沢山あるCRMツールの機能でどの機能をメインで使用するか決められません。

漫然と情報入力だけ行うと業務負担が増えてしまい社内に浸透する前に誰も使わなくなったり社員から反発を受ける可能性があります。

導入するツールは使いやすいものにする

CRMツールは蓄積したデータから分析を行い様々な施策を行う為のツールです。

いくら便利な機能でも日常的に使用できなければ意味を成しません。

導入する為には入力の手間を感じず誰でも使えるツールを選ばなければなりません。

社員にとってデータを入力しやすくさらに業務の効率化を実感できるツールであることが望ましいです。

セキュリティ対策は十分にする

大事な個人情報を取り扱う為セキュリティ対策にも十分に気を遣わなければなりません。

顧客情報の流出は企業の信用問題に直結します。

せっかく顧客との関係性を良好にする為に導入したツールで逆に信頼関係を悪化させてしまうのは本末転倒です。

特にクラウド型のツールは外部からアクセスできる利便性に反してセキュリティには不安が残ります。

セキュリティ対策はどのようにされているのか、導入する際に注意して選びましょう。

見たい情報はすぐ見られるものにする

目的によって使いたい機能、見たい情報は変わります。

あらゆる情報を管理する事ができますが一番見たい情報をすぐさま確認できる機能が備わっているか、各企業の目的に合わせて確認しましょう。

CRMツールは沢山あるため重視されている機能にもばらつきがみられます。

使用感も大事な要素なのでトライアル期間があれば利用し社員の反応を確認して選ぶようにしましょう。

予算内のコストに抑える

当たり前ですがツールを使用するには一定のコストがかかります。

クラウド型のように月額で一定の費用がかかるものだとランニングコストも視野に入れて検討しなければコスト面で圧迫される可能性があります。

作業量も増えそうなら人的コストがかかっていると認識し導入後の費用対効果も意識してツールを選ぶことをおすすめします。

無料版も中にはありますが機能が制限されていますので使いたい機能が限定的な場合のみ検討しましょう。

おすすめCRMツール9選を紹介

CRMツールをいよいよ導入しようにも種類が多すぎてどれを選べばいいかわからないという方は多いと思います。

ここではおすすめCRMツール9選を紹介します。

各ツールの特徴や費用面などを参考にしていただければ幸いです。

おすすめCRMツール①うちでのこづち

EC通販の導入企業数No.1のうちでのこづち

リピーターの獲得によりLTVを向上させるという目的を重視しています。

EC通販やBtoCでの分析に特化した機能が充実しています。

顧客分析により自社のステータスとボトルネックを明確にし改善施策が一目で把握できるのも特徴です。

分析した内容をそのまま報告やレポーティングに利用できるようにデザイン設計されています。

国内の基幹システムやECカートとの自動連携も可能でスムーズに導入できます。

サポートサービスも充実しており導入前から分析・施策までサポートしてくれるので初めての方でも安心して利用できます。

料金
  • 50,000円~/月 従量課金制
うちでのこづちのホームページへ移動する

おすすめCRMツール②ZohoCRM

全世界で5万社に利用されているZoho CRM

対話型AI営業アシスタント機能を導入し確認したい内容を音声やチャットで見る事ができます。

顧客データを自動で整理でき日々のルーティンワークが自動化される事で業務負担が軽減されます。

自社の販売フローを登録すればフローごとに現在の業務がどの程度進行できているか簡単に把握する事ができます。

商談に対して自動で担当者を割り振る機能もあり、スピーディに業務を進められます。

費用もリーズナブルで初めて導入する際の金銭的ハードルが低いのが特徴です。

料金
  • スタンダード1440円/月
  • プロフェッショナル2400円/月
  • エンタープライズ4200円/月
  • アルティメット5400円/月
ZohoCRMのホームページへ移動する

おすすめCRMツール③Sales force

世界1位のシェアを誇るSales force

クラウド型のCRMツールで機能面において優れていると一定の評価を得ています。

顧客関係を構築するための機能が多数搭載されており見込み顧客から顧客になるまでの包括的なサポートが期待できます。

自社製品だけでなく他社製品との連携が可能なものもあり、有料・無料様々なアプリケーションを自由にダウンロードする事で機能拡張を行えます。

料金
  • Enterprise1800円/月
  • Essentials3000円/月
  • Professional9000円/月
  • Unlimited36000円/月
Salesforceのホームページへ移動する

おすすめCRMツール④ちきゅう

定着率99%といわれているちきゅう

特徴はシンプルにまとめられた使いやすい機能面です。

高性能で追及された機能が無い代わりに初めて使う方や基本的な機能のみを使いたいという企業におすすめできます。

データベースは自社のスタイルに合わせて自由に設計する事ができるので使い勝手の良さも魅力です。

導入後に「こんな機能が使いたい」と思えば拡張機能もあるのでカスタマイズもできます。

SlackやChatWork等の外部ツールと自動連携も可能です。

料金
  • ライト1480円/月
  • スタンダード2980円/月
  • プロ4,980円/月
  • エンタープライズ9,800円/月
ちきゅうのホームページへ移動する

おすすめCRMツール⑤Senses

「現場の定着」に最もフォーカスしているといわれているSenses

案件ボードと呼ばれる管理画面で直感的に操作が可能です。

前回の操作から時間が経過すると青→黄色→赤と項目の色が変わるので業務の見落としを予防できます。

料金
  • Starter25000円~/月
  • Growth100000円~/月
  • Enterprise300000円~/月
Sensesのホームページへ移動する

おすすめCRMツール⑥eセールスマネージャー

導入実績5,500社以上、利用継続95%と総合満足度No.1のeセールスマネージャー

純国産のCRMなので外国産のものよりサポート体制が充実しています。

一般的なツールの定着率が20%といわれている中で95%の定着率を誇っています。

導入前から運用が安定するまでの間4つの体制で徹底してサポートしてくれます。

料金
  • スケジュールシェア3000円/月
  • ナレッジシェア6000円/月
  • スタンダード11000円/月
eセールスマネージャーのホームページへ移動する

おすすめCRMツール⑦Sansan

テレビCMをやっており知名度が高いSansan

クラウド名刺管理サービスという名刺をスキャンするだけで情報を一元化する事ができる機能が特徴です。

組織ツリーを自動生成し社員が誰と接触したかを知る事ができる機能もあります。

料金
  • 見積もりにて決定するため不明
Sansanのホームページへ移動する

おすすめCRMツール⑧Kintone

エクセルのデータがそのまま導入できるKintone

アプリの作成が簡単に行えるのが特徴です。

使いたい項目があればドラッグ&ドロップでアプリをカスタマイズ可能です。

料金
  • ライトコース780円/月
  • スタンダードコース1500円/月
kintoneのホームページへ移動する

おすすめCRMツール⑨Microsoft Dynamics365

Microsoft office との連携ができるMicrosoft Dynamics 365

既存のシステムとの連携を前提に作られています。

カスタマイズもしやすくどの分野でも役立つ機能が揃っています。

マーケティングや営業など各事業分野によって価格が違います。

料金
  • 利用する事業分野毎に要問合せ
Microsoft Dynamics 365のホームページへ移動する

まとめ

CRMツールは用途に合わせて自社にとって一番使いやすいツールを選ばなければ上手く運用する事が難しいです。

しかし、使いこなせれば顧客との良好な関係性を築き継続的な収益を得る事ができます。

目的と手段を明確にして自社に一番合ったCRMツールを導入しましょう。

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